明帝 (漢)

明帝（めいてい）

明帝は、後漢の第2代皇帝であり、初代皇帝である光武帝の四男として生まれました。諱は劉荘（りゅうそう）。

生涯

建武4年（28年）に陰貴人の子として誕生。幼少の頃は東海公に封じられ、後に東海王となりました。異母兄である皇太子劉彊が病弱であったため、光武帝の意向により皇太子に立てられ、建武中元2年（57年）に光武帝が崩御すると、皇帝として即位しました。

明帝は、父である光武帝の施政方針を継承し、国内の安定に尽力しました。しかし、外交面では光武帝の消極策を改め、武帝以来となる西域への積極的な進出を再開。この対外政策により、班超などの有能な人材が活躍し、後漢の勢力拡大に貢献しました。

明帝の時代には、仏教が正式に伝来したとされています。白馬寺の創建や『四十二章経』の伝来に関する伝承が残されており、異母兄である楚王劉英が仏教を崇拝したという記録も残っています。

治世

明帝の治世は、光武帝・章帝の時代と並び、後漢王朝の全盛期を築いた時代として知られています。皇后である馬氏は賢夫人として知られ、外戚勢力の抑制に貢献しました。これにより、後漢王朝は安定した政治を維持することができましたが、和帝以降は幼少の皇帝が続き、外戚や宦官の勢力争いが激化し、後漢滅亡の遠因となりました。

永平18年（75年）に崩御。

妻子

皇后：馬皇后（明徳皇后）- 馬援の娘
側室：賈貴人 - 馬皇后の従姉妹
五男：章帝 劉炟 - 第3代皇帝
次女：平陽公主 劉奴 - 馮勤の子の馮順に嫁いだ。
側室：陰貴人
七男：梁節王 劉暢
側室：秦貴人
側室：閻貴人 - 尚書閻章の妹
生母不詳の子女
長男：千乗哀王 劉建
次男：陳敬王 劉羨
三男：彭城靖王 劉恭
四男：楽成靖王 劉党
六男：下邳恵王 劉衍
八男：淮陽頃王 劉昞
九男：済陰悼王 劉長
長女：獲嘉公主 劉姫 - 馮魴の子の楊邑郷侯馮柱に嫁いだ。
三女：隆慮公主 劉迎 - 耿舒の子の牟平侯耿襲に嫁いだ。
四女：平氏公主 劉次
五女：沁水公主 劉致 - 高密侯鄧乾（鄧禹の子の鄧震の子）に嫁いだ。
六女：平皋公主 劉小姫 - 昌安侯鄧藩（鄧禹の子の鄧襲の子）に嫁いだ。
七女：浚儀公主 劉仲 - 軑侯王度（王覇の子の王符の子）に嫁いだ。
八女：武安公主 劉恵 - 征羌侯来棱（来歙の子の来褒の子）に嫁いだ。
九女：魯陽公主 劉臣
十女：楽平公主 劉小迎
十一女：成安公主 劉小民

登場作品

テレビドラマ
秀麗伝〜美しき賢后と帝の紡ぐ愛〜（2016年、中国、演：趙文浩）

参考文献

范曄著、『後漢書』。
中央研究院・歴史語言研究所「漢籍電子文献資料庫」。
* 岩波書店『[後漢]]書 <第1冊> 本紀(1) 巻一～巻五』2001/9/25 [[范曄], 吉川忠夫(著)

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