明石家のんき

明石家 のんき：落語とロックの融合、芸の道を極める

明石家 のんき（あかしや のんき）は、1967年11月28日生まれの落語家、そしてロック歌手である。本名は明石弘之。吉本興業に所属し、上方落語協会会員として活躍している。兵庫県西宮市出身で、二代目笑福亭松之助を父に持ち、弟はバレエダンサーのパーポ明石という芸能一家に育った。

その芸名には、興味深いエピソードが隠されている。なんと、生まれる前から「笑福亭 梅之助」という高座名が与えられていたのだ。これは、父の師匠である五代目笑福亭松鶴の本名、竹内梅之助に由来する。8歳の時、1975年に父・松之助に入門し、梅之助として初高座を踏んだ。幼少期から日本舞踊、小唄、三味線にも精進し、多様な舞台経験を積んでいる。仁川学院高等学校卒業後、1990年に現在の芸名「明石家 のんき」に改名した。兄弟子の明石家さんまと同じ亭号となり、しばしばさんまの直弟子と間違われることもあるという。さんまからは「ヒロくん」と呼ばれているという温かいエピソードも。

家系もまた、上方落語界においては非常に由緒正しい。松之助の兄弟子である六代目笑福亭松鶴の甥弟子にあたり、笑福亭仁鶴、笑福亭鶴光、笑福亭鶴瓶といった大物落語家たちとは従兄弟弟子という関係にある。

彼のキャリアは、吉本興業所属から始まり、松竹芸能への移籍を経て、再び吉本興業へ戻っている。上方落語協会も、一時退会していたが、2012年に復帰を果たしている。

舞台上での彼の姿は独特だ。ロカビリーミュージシャンを思わせる、リーゼントスタイルの髪型が特徴的で、高座に上がるとまず客席を鋭く見つめるのが恒例となっている。芸風は主に父から受け継いだ古典落語をベースとしている。

落語家としての活動に加え、ロック歌手としても精力的にライブ活動を行っている。さらに司会業などもこなすなど、多方面で才能を発揮している。父との親子落語会「のんきな落語会」も主催し、幅広い層に落語の魅力を伝えている。また、「花形寄席」などへの出演も継続している。

メディア出演も豊富で、レギュラー番組として『読売ザKANSAI』『関西トピックス』『ハロハロNight』『てれびの耳80S』『キラりん滋賀545』『8時です! 生放送!!』『祇園笑者』『笑い飯・千鳥の舌舌舌舌』『笑い飯のおもしろテレビ』などに出演。特番やゲスト出演も多く、司会を務めた『第27回なにわ淀川花火大会』なども記憶に新しい。映画にも『ビリケン』『明日があるさ THE MOVIE』『オムライス』などに出演している。

2006年には、自身も生まれる前から高座名が付けられたように、長男にも「明石家ぽんた」という高座名を命名したという。

明石家 のんきは、古典落語の伝統を守りながら、独自のスタイルで現代に息づく落語家であり、ロック歌手としての活動も並行して行う、稀有な存在と言えるだろう。彼の今後の活躍に期待したい。

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