普通選挙期成同盟会

普通選挙期成同盟会

普通選挙期成同盟会は、明治時代から大正時代にかけて、普通選挙の実現を目指して活動した日本の政治団体です。その活動は、日本の民主主義運動史において重要な役割を果たしました。

結成と初期の活動

1897年7月、中村太八郎と木下尚江らによって、長野県松本地方で結成されました。しかし、結成直後に両名が逮捕されたため、活動は一時中断を余儀なくされます。その後、1899年10月には、河野広中らを中心に拠点を東京に移し、活動を再開。普選運動の中心的な団体として、その存在感を示すことになります。

1899年12月には、松本で第一回普通選挙同盟大会が開催され、その成果として、1900年1月には999名の連署による普選請願書が、中村弥六を通じて衆議院に提出されました。この請願書提出は、同盟会の活動を社会に広く知らしめる大きな契機となりました。

組織の拡大と活動の展開

同盟会はその後、「普通選挙同盟会」と改称し、普通選挙の実現に向けて運動を強化しました。この時期には、高野房太郎や幸徳秋水といった人物が幹部に加わり、さらに片山潜や西川光二郎などの労働運動の指導者たちも加入し、組織は大きく拡大します。

同盟会は、盛んに演説会を開催し、反藩閥勢力を結集する役割も担いました。しかし、幸徳事件（大逆事件）が発生すると、政府の弾圧が強まり、同盟会は解散を余儀なくされます。この事件は、日本の社会運動全体に大きな影響を与え、同盟会の活動にも大きな打撃を与えました。

再興と終焉

その後、第一次護憲運動の中で、中村太八郎や石川安次郎らによって、普通選挙同盟会が再興されました。1919年3月には、普選を求めるデモが行われ、約1万人の民衆が参加するなど、その勢いは再び高まりを見せました。

しかし、1920年ごろになると、労働組合や憲政会などの新たな勢力が普選運動に参加するようになり、同盟会の運動における役割は徐々に低下していきました。その結果、同盟会は歴史の表舞台から姿を消すこととなりました。

その他の同名組織

なお、1892年には、大井憲太郎が東洋自由党内に同名の組織を設立しましたが、1894年に同党が解党したため、消滅しています。この組織は、普通選挙期成同盟会とは異なる存在です。

まとめ

普通選挙期成同盟会は、日本の民主主義の発展に大きく貢献した団体であり、その活動は、後の普通選挙法制定へと繋がっていきました。その活動は、社会変革への人々の強い意志を示すものとして、歴史に刻まれています。

関連項目

奨匡社
大正デモクラシー
普通選挙
普通選挙法

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