有馬康純

有馬康純（ありま やすずみ）

有馬康純は、江戸時代前期の大名であり、日向国延岡藩の第2代藩主です。官位は従五位下・左衛門佐。晴信系肥前有馬氏の3代目にあたり、諡号は嘉祥公です。

生涯

慶長18年（1613年）に、肥前国日野江（現在の長崎県南島原市）の原城で、有馬直純の長男として生まれました。幼名は、大助と名付けられました。

慶長19年（1614年）に、父の転封に伴い縣（現在の延岡市）に移ります。元和2年（1616年）には、駿府（現在の静岡市）で徳川家康に謁見します。母の国姫が家康の曾孫であったことから、家康から寵愛を受け、「康」の字を授かり、蔵人康純と称するようになりました。その後、母と共に駿府、次いで江戸の藩邸に滞在しました。寛永3年（1626年）には、元服して従五位下に叙せられています。

寛永18年（1641年）に父の死去により家督を継ぎ、弟の八兵衛元純(有馬純政、後に本多姓を名乗る)に3000石を分知して旗本としました。承応元年（1652年）から明暦元年（1655年）にかけて、縣城（延岡城）を修築し、それに伴い近世城下町としての町割りが整備されました。現在の延岡市の名称は、康純が明暦2年（1656年）に今山八幡宮に寄進した梵鐘の銘文に由来するとも言われています。この梵鐘は「城山の鐘」として知られています。

延宝7年（1679年）に家督を嫡男の清純に譲り、隠居しました。延宝9年（1681年）には、新たに建てた門川の隠居宅に移り住みました。天和2年（1682年）には剃髪して出家し、假宿と号しました。貞享4年（1687年）に、再び縣（延岡）の三瀬（現在の三ツ瀬町）の隠居宅に移りました。

元禄5年（1692年）に中風に倒れ、4月12日に三瀬の隠居宅で死去しました。享年80歳でした。葬儀は、14日に有馬家の菩提寺である高岳寺（現在の福井県丸岡町に移転）で執り行われました。4月16日には、隠居宅のあった三ツ瀬に近い恒富村の簗場にて荼毘に付され、その後、高岳寺に納骨されました。法名は、嘉祥院殿徹洞宗通大居士です。この時の記録は、延岡の名物である「鮎梁漁」が300年以上の歴史を持つことを示す最古の史料となっています。

系譜

父母
父：有馬直純
母：栄寿院、国姫 - 徳川家康の養女、本多忠政の長女

正室、継室
正室：水野忠清の娘
継室：阿部忠秋の養女 - 阿部政澄の娘

側室
草野氏
樫沢氏
馬場氏
伊東氏
松木氏

子女
長男：有馬清純 - 生母は継室
次男：本多純親
三男：平岡頼恒
四男：有馬純息
七男：有馬純富
八男：有馬純珍
九男：有馬純就
十男：有馬純英
娘：亀 - 大村純長継室
娘：分部嘉高正室のち諏訪頼蔭正室
娘：沼間清氏室
娘：阿部正員正室
娘：真田正房室
* 娘：戸川安宣正室

有馬康純は、藩主としてだけでなく、文化的な面でも延岡の発展に貢献した人物として、歴史に名を残しています。

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