札幌ばんけい

札幌ばんけい株式会社

北海道札幌市中央区盤渓に本社を置く札幌ばんけい株式会社は、主にスキー場とバス事業を展開する地域密着型の企業です。

沿革

企業の歴史は、1968年にばんけい観光株式会社が設立され、「ばんけいスキー場」が開業したことから始まります。その後、1977年6月には札幌市交通局から荒井山線（西14）を引き継ぎ、路線バス事業に参入しました。1981年7月にはバス部門を分離し、ばんけい観光バス株式会社が設立されるなど、事業再編が行われます。1987年10月には、ばんけい観光株式会社が株式会社ばんけいへと商号を変更しました。

2001年11月には、株式会社ばんけいが運営していたスキー場や飲食店などの全事業が、ばんけい観光バスに譲渡されました。これにより株式会社ばんけいは休眠会社となり、後に解散しています。

2003年12月には、乗合バスの路線網が再編され、発寒南駅と真駒内駅を結ぶ直通系統が新設されました。

しかし、2008年には経営状況が悪化。同年4月14日には、利用者の少ない円山線と発寒南・真駒内線からの撤退、すなわち乗合バス事業からの全面的な撤退が発表されました。これは地域の公共交通に大きな影響を与えるものでしたが、翌日には発表を撤回し、当面運行を継続することが表明されました。年間約800万円の赤字を計上するなど厳しい状況は変わらず、廃止方針自体は維持されていました。

2009年に入ると、経営危機はより深刻化しました。ピーク時には7億円を超える売上高がありましたが、減少傾向が続き、約5000万円の赤字を計上するなど財務状況は悪化の一途をたどります。スキーシーズンの終了後には資金繰りが困難になり、弁護士に事後処理を一任する事態となりました。資産査定の結果、大幅な債務超過が判明し、事業継続のためにスポンサー探しと債権者への債権一部放棄の要請を行う会社整理手続きに入りました。同年7月1日、パチンコ事業などを展開する太陽グループの完全子会社となり、債権者の同意を得て事業を継続することが決定しました。そして同年10月1日、社名を現在の札幌ばんけい株式会社に変更し、新たなスタートを切りました。

その他の動きとしては、運営していた焼肉店「我夢主」が2009年11月20日に「ばんけい苑」に改称。しかし、2022年9月30日に閉店し、その後2024年2月1日から「炭火焼ばんけい苑」として営業を再開しています。

事業内容

札幌ばんけい株式会社は、以下の事業を運営しています。

バス事業（ばんけいバス）
通称「ばんけいバス」として、地域交通を担っています。2017年3月末時点で、路線バス車両は6台登録されています。
路線バス
円山線: 円山公園駅と盤渓・スキー場を結ぶ主要路線です。冬季スキーシーズンには増便が行われ、円山公園駅方面行きの一部便は停留所を通過する場合があります。夏季週末の増便は2019年度以降休止されています。
発寒南・真駒内線: 発寒南駅と真駒内駅を直通で結ぶ系統です。2017年4月1日より、盤渓 - 北の沢二股間の経路がこばやし峠経由から盤渓北ノ沢トンネル経由に変更されています。
駒岡線: 真駒内駅と駒岡団地方面を結ぶ路線で、かつて札幌市営バス、北海道中央バスが運行していました。北海道中央バスの乗務員不足などを理由とした路線廃止表明を受け、地域交通維持のため札幌ばんけいが事業を引き継ぐこととなり、2025年4月1日から運行を開始する予定です。
運賃に関する特記事項: 交通系ICカード「SAPICA」などは利用できません。ばんけいバス専用の紙回数券が販売されており、札幌市発行の敬老優待乗車証・福祉乗車証も紙タイプが発行されます。2022年5月からは、車内での運賃支払いにQRコード決済の「PayPay」が導入されました。
乗継割引: 円山公園駅と真駒内駅（駒岡線のみ）では、札幌市営地下鉄との連絡運輸（乗継割引）が設定されています。共通乗車制度は、札幌市交通局が発券した定期乗車券に限り、円山公園駅周辺の一部区間でジェイ・アール北海道バスとの間で適用されます。
貸切バス: 貸切バス事業も手掛けており、通常は札幌運輸支局管内などが営業区域ですが、安全評価認定制度の優良事業者として、北海道全域での運行が認められています。車両は8台登録されています。太陽グループ関連の旅行会社のツアーバス運行も担当した実績があります。

さっぽろばんけいスキー場・索道事業
冬季はスキー場運営を主力事業としています。

その他の事業
ばんけいパークゴルフコース
炭火焼 ばんけい苑（焼肉店）

札幌ばんけい株式会社は、地域におけるレジャー施設と公共交通の提供を通じて、地域の活性化に貢献しています。

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