朴松男

朴松男（パク・ソンナム）

朴松男（パク・ソンナム、Pak Song Nam、1943年4月11日 - 1982年10月24日）は、韓国・慶尚南道出身のプロレスラー。その体格と風貌から「韓国の巨人」「韓国の馬場」とも呼ばれ、国内外で活躍した。

キャリア初期

1963年、大韓プロレス協会の張永哲にスカウトされプロレスデビュー。朴成模とのタッグで売り出され、1964年には極東ヘビー級タッグ王座を獲得。1966年には金一道場の一員として日本プロレスに初来日した。

アメリカでの成功

1969年、金一に連れられアメリカ遠征。東洋系の大型ヒールとして各地を転戦し、NWAの主要テリトリーで活躍。ウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座やアメリカス・ヘビー級王座など、数々のタイトルを獲得した。テキサスでは坂口征二ともタッグを結成し、NWA世界ヘビー級王座にも再三挑戦。

フロリダ地区ではゲーリー・ハートをマネージャーに、ダスティ・ローデスと共闘。後にローデスのベビーフェイス転向の露払い役を務め、抗争を繰り広げた。また、ジャイアント馬場のタッグパートナーとしても活躍し、ザ・ファンクスとも対戦している。

1975年には全日本プロレスに参戦し、馬場やザ・デストロイヤーとタッグを組んだ。同年、ソウルでの凱旋試合ではボボ・ブラジルに勝利。

大邱事件

1976年10月、アントニオ猪木の韓国招聘が計画され、対戦相手に朴が選ばれた。しかし、10月9日の大邱での前哨戦で、猪木がプロレスの暗黙の了解を無視し、朴にシュートを仕掛けた。この試合は凄惨な結末となり、プロレス史に残る「大邱事件」として語り継がれている。

この試合は、当初は猪木がソウルのタイトルマッチで勝利する代わりに、大邱での前哨戦は朴に勝ちを譲るという取り決めがあったとされる。しかし、猪木が直前になって負けブックを拒否したため、リアルファイトになったとされている。試合後、猪木は朴に謝罪し、翌日のNWF戦は通常のプロレスとして行われた。

キャリア末期

猪木戦以降もアメリカで活躍し、ジョージア・チャンピオンシップ・レスリングではNWAジョージア・タッグ王座を獲得。フロリダではローデスとの遺恨試合を再開し、アンドレ・ザ・ジャイアントとも対戦。1979年にはキラー・カーンとのコンビでフロリダ地区のUSタッグ王座を獲得した。

1980年にはセントラル・ステーツ地区に参戦し、セントラル・ステーツ・タッグ王座を獲得。その後、ダラス地区でデビッド・フォン・エリックやブルーザー・ブロディと抗争した。

しかし、体調不良のため1980年に引退し韓国に帰国。糖尿病との闘病生活の末、1982年10月24日に39歳で死去した。

得意技

クロー・ホールド
カラテ・チョップ
ダブルアーム・スープレックス
ドロップキック
ヘッドシザーズ・ホイップ

多彩なテクニックを持ち合わせていたが、アメリカでは怪奇派・異能派の東洋人ヒールとしての印象が強かった。

獲得タイトル

NWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座
NWAアメリカス・ヘビー級王座
NWA南部ヘビー級王座
NWAフロリダ・ヘビー級王座
NWA USタッグ王座（フロリダ版）
NWAジョージア・タッグ王座
NWAセントラル・ステーツ・タッグ王座
* 韓国タッグ王座

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