朽網鑑康

朽網鑑康（くたみ あきやす）

朽網鑑康は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、大友氏の家臣として知られています。入田親廉の次男として生まれ、当初は入田鑑康と名乗っていましたが、後に朽網氏を継ぎ、朽網鑑康と改名しました。法名は宗暦。

生涯

二階崩れの変で大友義鑑が亡くなった後も、鑑康は大友義鎮（宗麟）に仕え、永禄12年（1569年）からは大友氏の加判衆として重きをなしました。門司合戦、菊池義武討伐、秋月文種討伐、土持親成討伐、立花鑑載討伐など、数々の戦に出陣し、その武勇を発揮しました。多々良浜の戦いでは、一萬田鑑実親子と共に毛利方の乃美宗勝、桂元重を撃退する功績を挙げています。

天正6年（1578年）の耳川の戦いでは、志賀親守と共に肥後国方面軍の総大将を務めました。天正12年（1584年）から天正13年（1585年）にかけては、立花道雪や高橋紹運らと共に筑後遠征に参戦し、龍造寺・筑紫連合軍を破るなど、各地で目覚ましい活躍を見せました。

豊薩合戦の頃には隠居しており、病床に伏せていましたが、支城である三船城が敵に攻められると、自ら出陣を決意。嫡子である鎮則と共に籠城するも、病により亡くなりました。一説には、和睦を主張する鎮則の態度に激怒して亡くなったとも伝えられています。

キリシタンとの関わり

鑑康は、宣教師の教えに触れ、嫡子の鎮則と共にキリシタンになろうとしましたが、一族や菩提寺の僧侶の強い反対に遭い、断念せざるを得ませんでした。しかし、家督に関係の薄い次男と三男を入信させ、領内での布教活動を許可するなど、キリスト教への理解を示しました。その結果、領民300人が入信したと伝えられています。朽網家の家老2人もキリシタンになった記録が残っています。宣教師の記録によると、鑑康と鎮則親子は常に「コセッタ」と呼ばれる玉を持っていたとされています。

墓所

鑑康の墓は、大分県竹田市久住町にあり、「朽網領主 救民三河守藤原鑑康公」と刻まれた碑が建てられています。墓の管理は、朽網氏の旧姓である古庄姓の家が行っています。

参考文献

矢野一貞『筑後国史 中巻』1927年、494頁。doi:10.11501/1175327。
垣本言雄『大分県郷土史料集成 下巻(戦記篇(後))』大分県郷土史料刊行会、1940年、702頁。doi:10.11501/1226745。

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