李文範

李文範（り ぶんはん）

李文範は、中華民国初期から国共内戦後まで活躍した政治家です。字は君佩といい、中国同盟会、中国国民党に所属し、胡漢民の側近として知られています。

生涯

青年期と革命運動

1900年、李文範は私費で日本に留学し、1905年には東京で中国同盟会に加入しました。1906年6月には、法政大学法政速成科第二班を優秀な成績で卒業。同期には、汪兆銘（汪精衛）、胡漢民、古応芬、張一鵬、孫潤宇らがいました。帰国後は、広東法政学堂で教員兼翻訳者として勤務。その後、広東省同盟会の会長となり、清朝末期の革命運動に参加しました。

中華民国成立後

1912年、中華民国が成立すると、李文範は広東省海軍軍務処秘書長兼都督府参議に就任。その後、袁世凱打倒の活動に身を投じ、二次革命や護国戦争に参加しました。1920年にはフランスへ留学しています。

1924年、広東省政務庁長（当時の省長は胡漢民）に任命され、翌年には広州国民政府秘書長兼中央委員会政治委員会秘書長となりました。同年、胡漢民と共にソビエト連邦を視察。1926年に帰国後、アメリカ合衆国への党務視察も行いました。1927年には、中国国民党中央執行委員会宣伝委員会主任委員に就任しています。

国民政府での活動

1928年、広東省政府委員兼民政庁長となり、同年10月には国民政府立法院立法委員兼秘書長に就任しました。翌年には、国民党第3期中央執行委員に選出され、以後第6期まで継続して選出されています。また、第5期からは常務委員にも選ばれました。1931年には内政部長に任命されましたが、翌年2月に退任。1935年には国民政府委員に任命されています。

日中戦争（抗日戦争）が勃発すると、国防最高委員会委員に任命され、1940年からは党政工作考核委員会主任委員兼党務処主任として党務の要職を歴任。1946年には、制憲国民大会代表に当選し、翌年には司法院副院長に就任しています。1948年には行憲国民大会代表に選出されました。

台湾へ

国共内戦で国民党が敗北すると、李文範は台湾に渡りました。その後、国民大会代表、党中央評議委員、党中央規律委員会主任委員、総統府資政などを歴任しました。

1953年6月23日、台北市にて病没。享年70歳（満68歳）でした。

注

李文範は、激動の時代を駆け抜けた政治家であり、中国の近代史において重要な役割を果たしました。その活動は、中国同盟会から国民党、そして台湾での活動に至るまで、多岐にわたります。彼の生涯は、中国の近代史を理解する上で欠かせない要素の一つです。

参考文献

徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。
法政大学中国研究会編『中華民国法政大学留学卒業生人名鑑 法政大学創立七十周年記念』法政大学中国研究会、1949年。
法政大学大学史資料委員会編『法政大学史資料集 第11集 (法政大学清国留学生法政速成科特集)』法政大学、1988年。

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