李福

李福の生涯と業績

李福（り ふく）は、中国の後漢末期及び三国時代の蜀漢における重要な政治家であり、字は孫徳です。彼の本貫は現在の四川省にあたる益州梓潼郡涪県に位置し、李氏はこの地域の著名な豪族の一つでした。父である李権は、臨邛県長という官職を務めていましたが、初平2年（191年）に劉焉によって命を奪われました。この事件は、彼の政治的キャリアに大きな影響を与えたかもしれません。

劉備への仕官と官歴

劉備が益州を平定した際、李福はその取り巻きとして仕官し、書佐や西充国県長、成都県令といった様々な役職を歴任しました。彼は特に劉禅の治世に当たる建興年間には巴西の太守を務め、その後は李豊の後任として江州都督および揚武将軍に昇進しました。このように彼は着実に出世を遂げ、政界での地位を固めていきました。

更に、入朝後には尚書僕射という高位な官職に就任し、平陽亭侯に封じられるまでの昇進を果たします。これにより彼は蜀漢の政治に大きく貢献し、多くの業務を遂行する重要な役割を担っていました。

諸葛亮との関係

李福の生涯の中で特筆すべき出来事が、建興12年（234年）の五丈原の戦いにおけるものです。この戦いの最中、丞相の諸葛亮が深刻な容態に陥った際、李福は国家の大計を諮問するための使者として諸葛亮の元に派遣されました。

諸葛亮は李福に対し、自身の後任として蔣琬を推し、さらにその後任には費禕を指名しました。しかし、次の後任については答えを返さず、李福は使命を果たした後に帰還し、高く評価されることとなります。このエピソードは、李福の信任と重要性を物語っています。

蔣琬の出征とその後

延熙元年（238年）、蔣琬が漢中郡への出征を命じられた際、李福は前監軍という要職を担い、大将軍司馬として彼に従いました。しかし、残念なことに彼はこの戦の最中に命を失いました。

評価と影響

李福は、後世の歴史書においても「果鋭」な人物として評価されています。特に、彼に関する記述は楊戯の『季漢輔臣賛』、陳寿の『益部耆旧雑記』、常璩の『華陽国志』などに見られます。これらの作品は彼の政治家としての才能と業績を今日に伝えており、三国時代における彼の重要性を示しています。

李福は蜀漢の政権において、様々な重要な役割を果たし、国の発展に寄与した偉大な政治家でした。

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