東六線駅

東六線駅：宗谷本線の小さな駅の歴史

東六線駅は、北海道上川郡剣淵町東町に位置していた、JR北海道宗谷本線の駅です。現在は廃駅となっています。1956年、和寒駅と剣淵駅間に東六線仮乗降場として開業し、1959年には駅に昇格しました。駅名は、基線から東方六線目にあることに由来しています。周辺の地名やバス停にも「東六線」の名が残されています。

開業から廃止まで

開業当初は無人駅で、士別駅の管理下にありました。1959年の駅昇格後から1987年の国鉄分割民営化までは、簡易委託駅として近隣の民家で乗車券の販売が行われていました。旅客のみを取り扱う駅で、2020年3月時点では、1日に上下各4本の普通列車が停車していました。

しかし、利用者の減少が著しく、JR北海道は2019年に駅の存廃について協議を開始。2020年には剣淵町議会が廃止を容認し、翌2021年3月13日、利用者減少とダイヤ改正に伴い、東六線駅は廃止となりました。

駅の構造と周辺環境

東六線駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは線路の東側にあり、分岐器を持たない棒線駅でした。ホーム南側には、トタン張りの待合所があり、「東六線乗降場 待合室」と書かれた駅銘板が設置されていました。ホームは木製デッキ式で、旭川方へはスロープで駅外へつながっていました。トイレは設置されていませんでした。ホームの後ろには、鉄道防風林がありました。


駅周辺は、名寄盆地の南端、北見山地と天塩山地に囲まれた農耕地帯です。駅周辺には人家はなく、稲作が盛んな地域でした。国道40号や道北バスの「東6線」停留所が近くにあります。また、駅からは北東約5kmの場所に桜岡貯水池があり、ヒブナやギンブナが生息しています。剣淵川も近くを流れています。

利用状況と今後の展望

東六線駅の利用状況は、年々減少傾向にありました。具体的な乗車人員数は公開情報からは読み取れませんでしたが、廃止に至るほど利用者が少なかったことがうかがえます。廃止後、駅舎は撤去され、かつて駅があった痕跡は、周辺の地名や地理的状況から想像するしかありません。


東六線駅は、宗谷本線の歴史を語る上で小さなながらも重要な駅の一つでした。その存在は、かつてこの地域を支えていた鉄道の姿を想起させ、地方における鉄道の盛衰を象徴的に示しています。駅舎の撤去によって物理的な存在は消滅しましたが、その歴史と記憶は、地域の人々の心に刻まれたままです。

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