東埔温泉

東埔温泉

東埔温泉（とうほおんせん、ピンイン: dōngpŭ wēnquán）は、台湾南投県信義郷東埔村に位置する温泉地です。古くは沙里仙温泉とも呼ばれており、阿里山と日月潭の中間地点に位置しています。この場所は、八通関古道を経由して玉山へ向かう登山道の入口にもなっているため、多くの登山客が訪れます。

玉山国家公園の北西側入口に近く、彩虹瀑布、雲龍瀑布、乙女瀑布などの美しい滝や、渓谷、父子断崖、八通関古道といった自然豊かな観光地へのアクセスも便利です。また、東埔温泉一帯は、布農族の伝統的な支配領域に属しており、独自の文化が息づいています。

泉質

東埔温泉には、二箇所の自然湧出源泉があり、源泉の温度はそれぞれ49℃と66℃です。pHは約7.5で、炭酸水素イオンを約193ppm、ナトリウムイオンを約179ppm含む、弱アルカリ性の炭酸水素塩泉です。この泉質は、肌に優しく、湯上りにはつるつるになると評判です。

歴史

東埔温泉は、日本統治時代に開発が進められ、当時はトンボ温泉という名で親しまれていました。戦後、その発音に似た漢字を当てて、現在の東埔温泉という名前に改められました。

楽楽谷温泉

楽楽谷温泉（らくらくたにおんせん、ピンイン: lèlègŭ wēnquán）は、南投県信義郷に位置する標高1302mの場所に湧く野湯です。東埔温泉から八通関古道の下方に進んだ、陳有蘭渓の渓谷中にあります。楽楽（lèlè）は、布農族の言葉で「温泉」を意味します。

泉質

楽楽谷温泉の源泉温度は最高で約80℃、pHは約8.5と高めです。炭酸水素イオンを約248ppm、ナトリウムイオンを約29.2ppm含む、弱アルカリ性の炭酸水素塩泉です。東埔温泉よりも温度が高く、より濃厚な温泉体験をすることができます。

歴史

1980年頃には、楽楽谷温泉には山荘が存在し、簡単な食事や宿泊、温泉設備を提供していました。しかし、1985年に玉山国家公園が設置されると、楽楽谷温泉一帯が生態保護区に指定され、山荘は撤去されました。現在は、自然のままの姿で温泉を楽しむことができる秘湯として知られています。

アクセス

公共交通機関

台湾鉄路管理局の集集線水里駅で下車し、員林客運バスの東埔行きに乗り換えて終点まで行くと、東埔温泉に到着します。そこから、楽楽谷温泉へは徒歩でアクセスすることができます。

参考文献

宋聖榮、劉佳玖『台湾地理百科23 台湾的温泉』遠足文化、2007年5月。ISBN 978-9-57-280317-2。
陳柏淳『台湾秘境温泉』創意市集出版、2015年11月。ISBN 978-9-86-575199-9。
鈴木浩大『湯けむり台湾紀行』まどか出版、2007年5月。ISBN 978-4-94-423535-3。

関連項目

台湾の温泉地一覧

外部リンク

* 《玉山東埔溫泉》，我的E政府旅遊萬花筒網站

この温泉地は、豊かな自然と温泉、そして布農族の文化に触れることができる魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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