東濃鉄道笠原線
かつて岐阜県多治見市の街と、現在の多治見市笠原町を結んでいた鉄道路線に、東濃鉄道笠原線がありました。この路線は、地域の主要産業であった陶磁器の原料や製品輸送を主な目的として建設されましたが、同時に旅客輸送も行っていました。時代の変化、特に自動車の普及によるモータリゼーションの影響を受け、利用者が減少。末期には旅客営業が休止され、その後貨物営業も廃止となり、その短い歴史に幕を閉じました。
笠原線の歴史は、1924年（大正13年）3月20日に地方鉄道法に基づく電気鉄道敷設免許が取得されたことに始まります。同年4月22日には笠原鉄道株式会社が設立され、路線の建設が進められました。1928年（昭和3年）7月1日、笠原鉄道として新多治見駅と笠原駅間が蒸気機関車による牽引で開業しました。当初の動力は蒸気でしたが、1936年（昭和11年）にはガソリン動車の運転が開始され、輸送力の増強が図られました。1937年（昭和12年）6月1日には、多治見駅にスイッチバックする形で0.3km延伸され、ガソリンカーの発着設備が新設されています。1939年（昭和14年）には、将来計画されていた土岐郡下石町から愛知県東春日井郡水野村への延伸計画が取り止めとなりました。
太平洋戦争中の1944年（昭和19年）3月1日、笠原鉄道は駄知鉄道などと合併し、東濃鉄道の一部となり、笠原線と改称されます。戦後、1953年（昭和28年）3月にはディーゼル機関車の導入が進み、客貨分離の体制が確立されました。1958年（昭和33年）には多治見駅の乗り入れが廃止され、営業距離が短縮されました。高度経済成長期を迎え、自動車の普及が進むと、旅客輸送は衰退の一途をたどります。これに伴い、1971年（昭和46年）6月13日、笠原線の旅客営業は休止されました。以降は貨物輸送のみが続けられましたが、これも長くは続かず、1973年（昭和48年）には途中の駅が廃止され、そして1978年（昭和53年）11月1日、ついに全線が廃止され、東濃鉄道は鉄道事業から撤退しました。
廃止された時点での笠原線は、営業キロ4.6kmの単線非電化区間でした。駅数は4駅で、全線が岐阜県内に位置していました。1962年（昭和37年）時点の運行状況を見ると、旅客列車は14往復が設定されており、全線を約14分で結んでいました。貨物列車は7往復が運行され、うち一部は中間駅での折り返し運用も存在しました。
笠原線では、その歴史の中で様々な種類の車両が活躍しました。
蒸気機関車
開業当初は蒸気機関車が使用されました。笠1形（笠1, 笠2）は、元々明治時代の英国ダブス社製機関車で、西成鉄道、国有化後の鉄道院、佐久鉄道を経て笠原鉄道に譲渡されたものです。1944年の東濃鉄道成立時に旧駄知鉄道の車両と区別するため改称され、1953年まで使用されました。
ディーゼル機関車
蒸気機関車の置き換えと貨物輸送の主力としてディーゼル機関車が導入されました。DB181形（DB181）は1953年に新造名目で投入された機械式機関車で、元は海軍向けに製造された車両を譲受・改造したものです。DC182形（DC182）も1955年に導入された機械式機関車で、こちらも元は内務省向けの船舶用機関を搭載した車両を改造したとされます。路線の最末期まで使用されたのはDD100形（DD105, DD106）です。これらは1964年に大井川鉄道から譲り受けた液体式機関車で、特徴的な低いキャブを持っていました。廃線後も、DD105は北恵那鉄道線の撤去工事に、DD106は奇しくも笠原線自身の撤去工事に用いられました。
気動車
ガソリン動車から始まり、ディーゼル動車へと移行しました。初期のキハ1形（キハ1, キハ2）は二軸のガソリンカーで、片側に荷台が付いていました。キハ1は笠原鉄道の新製車両、キハ2は駄知鉄道からの編入車両でした。これらは1956年までに廃車されています。キハ10形（キハ12）は駄知鉄道からの編入で片ボギー車、こちらも荷台付きで1963年まで使用されました。キハ20形（キハ23）は比較的後期まで使用されたボギー車で、元はガソリンカーでしたが、東濃鉄道編入後にディーゼルエンジンに換装されました。キハ500形（キハ501, キハ502）は、キハ501が国鉄からの譲受車（元播丹鉄道）、キハ502が防石鉄道からの譲受車（元中国鉄道）で、いずれもディーゼルエンジン換装や車体延長などの改造を経て、1971年の旅客営業休止まで主力として活躍しました。
客車
開業時には木製の2軸客車が使用されました。ハ1-4は、筑波鉄道から購入したもので、その原形は明治時代の国有鉄道車両に遡るようです。
笠原線の廃線後、その線路跡地は公共のレクリエーションスペースとして生まれ変わりました。1979年（昭和54年）に多治見市が線路跡の自転車・歩行者専用道路としての整備を決定し、段階的に工事が進められました。この専用道路は「陶彩の径（とうさいのみち）」と名付けられ、沿道には桜の木が植栽されたことから、現在では桜の名所としても親しまれています。線。路しまれています。路されています。地域の歴史を伝える貴重な遺構は、形を変えて市民の憩いの場となっています。
沿革
笠原線の歴史は、1924年（大正13年）3月20日に地方鉄道法に基づく電気鉄道敷設免許が取得されたことに始まります。同年4月22日には笠原鉄道株式会社が設立され、路線の建設が進められました。1928年（昭和3年）7月1日、笠原鉄道として新多治見駅と笠原駅間が蒸気機関車による牽引で開業しました。当初の動力は蒸気でしたが、1936年（昭和11年）にはガソリン動車の運転が開始され、輸送力の増強が図られました。1937年（昭和12年）6月1日には、多治見駅にスイッチバックする形で0.3km延伸され、ガソリンカーの発着設備が新設されています。1939年（昭和14年）には、将来計画されていた土岐郡下石町から愛知県東春日井郡水野村への延伸計画が取り止めとなりました。
太平洋戦争中の1944年（昭和19年）3月1日、笠原鉄道は駄知鉄道などと合併し、東濃鉄道の一部となり、笠原線と改称されます。戦後、1953年（昭和28年）3月にはディーゼル機関車の導入が進み、客貨分離の体制が確立されました。1958年（昭和33年）には多治見駅の乗り入れが廃止され、営業距離が短縮されました。高度経済成長期を迎え、自動車の普及が進むと、旅客輸送は衰退の一途をたどります。これに伴い、1971年（昭和46年）6月13日、笠原線の旅客営業は休止されました。以降は貨物輸送のみが続けられましたが、これも長くは続かず、1973年（昭和48年）には途中の駅が廃止され、そして1978年（昭和53年）11月1日、ついに全線が廃止され、東濃鉄道は鉄道事業から撤退しました。
路線概要
廃止された時点での笠原線は、営業キロ4.6kmの単線非電化区間でした。駅数は4駅で、全線が岐阜県内に位置していました。1962年（昭和37年）時点の運行状況を見ると、旅客列車は14往復が設定されており、全線を約14分で結んでいました。貨物列車は7往復が運行され、うち一部は中間駅での折り返し運用も存在しました。
車両
笠原線では、その歴史の中で様々な種類の車両が活躍しました。
蒸気機関車
開業当初は蒸気機関車が使用されました。笠1形（笠1, 笠2）は、元々明治時代の英国ダブス社製機関車で、西成鉄道、国有化後の鉄道院、佐久鉄道を経て笠原鉄道に譲渡されたものです。1944年の東濃鉄道成立時に旧駄知鉄道の車両と区別するため改称され、1953年まで使用されました。
ディーゼル機関車
蒸気機関車の置き換えと貨物輸送の主力としてディーゼル機関車が導入されました。DB181形（DB181）は1953年に新造名目で投入された機械式機関車で、元は海軍向けに製造された車両を譲受・改造したものです。DC182形（DC182）も1955年に導入された機械式機関車で、こちらも元は内務省向けの船舶用機関を搭載した車両を改造したとされます。路線の最末期まで使用されたのはDD100形（DD105, DD106）です。これらは1964年に大井川鉄道から譲り受けた液体式機関車で、特徴的な低いキャブを持っていました。廃線後も、DD105は北恵那鉄道線の撤去工事に、DD106は奇しくも笠原線自身の撤去工事に用いられました。
気動車
ガソリン動車から始まり、ディーゼル動車へと移行しました。初期のキハ1形（キハ1, キハ2）は二軸のガソリンカーで、片側に荷台が付いていました。キハ1は笠原鉄道の新製車両、キハ2は駄知鉄道からの編入車両でした。これらは1956年までに廃車されています。キハ10形（キハ12）は駄知鉄道からの編入で片ボギー車、こちらも荷台付きで1963年まで使用されました。キハ20形（キハ23）は比較的後期まで使用されたボギー車で、元はガソリンカーでしたが、東濃鉄道編入後にディーゼルエンジンに換装されました。キハ500形（キハ501, キハ502）は、キハ501が国鉄からの譲受車（元播丹鉄道）、キハ502が防石鉄道からの譲受車（元中国鉄道）で、いずれもディーゼルエンジン換装や車体延長などの改造を経て、1971年の旅客営業休止まで主力として活躍しました。
客車
開業時には木製の2軸客車が使用されました。ハ1-4は、筑波鉄道から購入したもので、その原形は明治時代の国有鉄道車両に遡るようです。
廃線後
笠原線の廃線後、その線路跡地は公共のレクリエーションスペースとして生まれ変わりました。1979年（昭和54年）に多治見市が線路跡の自転車・歩行者専用道路としての整備を決定し、段階的に工事が進められました。この専用道路は「陶彩の径（とうさいのみち）」と名付けられ、沿道には桜の木が植栽されたことから、現在では桜の名所としても親しまれています。線。路しまれています。路されています。地域の歴史を伝える貴重な遺構は、形を変えて市民の憩いの場となっています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。