東郷町山田

鹿児島県薩摩川内市東郷町山田について

概要

東郷町山田（とうごうちょうやまだ）は、鹿児島県薩摩川内市に位置する大字です。かつては薩摩国薩摩郡に属し、東郷山田村、上東郷村大字山田、東郷町大字山田と変遷してきました。郵便番号は895-1104で、2020年10月1日時点での人口は364人、世帯数は171世帯です。面積は9.92平方キロメートルとなっています。

地理

薩摩川内市の北部に位置し、川内川の支流である山田川の上流域に広がります。北東部には飯森塚岡の丘陵が、西部には笠山がそびえ、その中間に盆地状の地形が形成されています。集落は主にこの盆地部に集中しています。周辺地域としては、北から東にかけてさつま町白男川、南に東郷町南瀬、西に東郷町斧渕と東郷町鳥丸、東にさつま町二渡が隣接しています。

主要な道路としては、東西に鹿児島県道344号東郷山田宮之城線が走り、薩摩川内市立山田小学校跡付近から鹿児島県道346号山田入来線が南に分岐しています。また、北部には川薩広域農道が東西に通っており、山鳥トンネルを通じて東郷町鳥丸と、白山トンネルを通じてさつま町白男川と繋がっています。

河川

川内川支流：山田川

歴史

山田の成立と中世

山田という地名は戦国時代から見られ、薩摩国東郷の一部でした。この地は、東郷氏と島津氏の争いの舞台となりました。1485年には、東郷重理が現在のさつま町白男川にある栗脇城に陣を敷き、島津忠廉と対戦しましたが敗北。山田城に拠点を移しました。その後、島津忠廉の追撃を受けますが、激戦の末に忠廉は敗れ、帖佐（現在の姶良市）へと撤退しました。

近世の山田村

江戸時代には、薩摩国薩摩郡東郷（外城）に属しました。村高は時代によって変動し、「天保郷帳」や「郡村高辻帳」では440石余り、「三州御治世要覧」では613石余り、「旧高旧領取調帳」では862石余りと記録されています。初期には、島津氏家臣の町田久倍が山田村などの領地を島津義久から与えられていましたが、1656年には日置島津家領であった東郷に編入され、1680年には薩摩藩の直轄領となりました。

町村制施行以降

1889年の町村制施行により、斧淵村、山田村、南瀬村、宍野村、鳥丸村、藤川村の6村が合併し、上東郷村が成立しました。山田村は上東郷村の大字「山田」となりました。1941年には薩摩山田電信電話取扱所が開設され、1947年には東郷山田郵便局となりました。1952年には上東郷村が東郷村に改称し、町制を施行。1982年には山田校区コミュニティセンターが完成しました。

2004年、東郷町は川内市などと合併し、薩摩川内市となりました。この合併に伴い、大字名は「東郷町」を冠する形に変更され、旧大字名「山田」は「東郷町山田」となりました。

人口

国勢調査に基づき、1995年以降の人口推移が記録されています。

文化財

市指定有形民俗文化財: 山田玉田の田の神、山田下の女田の神
市指定無形民俗文化財: 山田楽
市指定記念物（史跡）: 山田古石塔群

施設

公共施設: 山田地区コミュニティセンター
郵便局: 東郷山田郵便局

教育

かつては「薩摩川内市立山田小学校」がありましたが、2017年に薩摩川内市立東郷小学校へ統合され閉校しました。

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合の学区については、薩摩川内市の教育委員会が定めるものに従います。

交通

道路

一般県道: 鹿児島県道344号東郷山田宮之城線、鹿児島県道346号山田入来線

路線バス

2021年現在、路線バスの運行はありません。薩摩川内市が運営する東郷地域デマンド交通「ゆったり号」（予約制）が、日曜日・祝日を除き、山田上地区から南瀬を経由して東郷温泉ゆったり館まで運行されています。

参考文献

東郷町郷土誌編集委員会『東郷町郷土史』東郷町、1969年。
角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店、1983年。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
東郷町郷土誌編纂委員会『東郷町郷土史 続編』東郷町、2003年。
薩摩川内市教育委員会「令和3年度薩摩川内市の教育」

関連項目

* 山田（曖昧さ回避ページ）

もう一度検索