松平勝尹

松平勝尹（まつだいら かつただ）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、下総国多古藩の3代藩主を務めました。 官位は従五位下・玄蕃頭、大蔵少輔、豊前守。初名は勝延（かつのぶ）と称しました。

生涯

正徳3年（1713年）、多古松平家の分家で300石取りの旗本であった松平勝久（宇右衛門）の長男として誕生しました。 享保6年（1721年）10月15日、9歳で将軍徳川吉宗に御目見えし、 享保12年（1727年）2月2日に家督を継ぎました。当初は小普請組に属し、福島左兵衛の支配下でした。

享保14年（1729年）11月23日、本家の多古藩2代藩主・松平勝房の養子となり、これに伴い300俵は収公されました。同年12月1日に徳川吉宗に拝謁。 享保21年（1736年）4月6日に養父の隠居により家督を継ぎ、元文元年12月16日（西暦1737年1月）に従五位下・玄蕃頭に叙位・任官されました。

元文2年（1737年）には日光祭礼奉行を務め、元文4年（1739年）と寛保2年（1742年）には日光祭礼奉行代を勤めました。

延享元年（1744年）11月6日に大蔵少輔に遷任し、延享2年（1745年）2月9日に大番頭となりましたが、延享4年（1747年）5月2日に病のため辞職しました。 寛延2年（1749年）3月1日、初めて領地である多古に入り、半年間の暇を得ました。 寛延4年（1751年）2月5日に豊前守に遷任しています。

明和4年（1767年）1月28日、多古藩の飛地領であった下野国都賀郡西見野村（現在の栃木県鹿沼市見野）の長光寺境内で崖崩れが発生し、万里小路藤房ゆかりの品と思われる銅鏡（柄鏡）や、銅製の観音立像・銅塔、古銭などが発見されるという出来事がありました。 この件は明和5年（1768年）1月29日付で領主である松平豊前守（勝尹）から老中松平右近将監（武元）宛に報告され、2月3日には出土品が老中列席の場で提出されました。

明和5年（1768年）3月26日に死去。享年56歳。跡は長男の勝全が継ぎました。

系譜

特記がない限り、『寛政重修諸家譜』に基づいています。子の続柄の後に記した( )内の数字は、『寛政譜』の記載順です。

父：松平勝久
母：不詳
養父：松平勝房
正室：松平忠刻養女（松平勘敬の娘）
女子(1)：本多忠興正室
長男(2)：松平勝全（1750-1796）
次男(3)：久松尹方 - 安兵衛。家臣となる。
三男(4)：亀吉
女子(5)
女子(6)：政 - 安藤次猷正室
側室：某氏
女子(7)：脇坂安崇室
* 四男(8)：飯河信門 - 飯河時信の養子

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