松平頼聰

松平頼聰（まつだいら よりとし）

松平頼聰は、天保5年（1834年）に生まれ、明治36年（1903年）に没した、江戸時代後期の大名であり、華族です。讃岐高松藩の第11代、つまり最後の藩主を務めました。官位は従四位下・侍従、宮内大輔、左近衛権少将、讃岐守を歴任しました。

生涯

頼聰は、天保5年（1834年）に第9代藩主・松平頼恕の四男として誕生しました。幼名は万之助。兄である頼熙が早世したため、嘉永6年（1853年）に嫡子となり、徳川家定に拝謁しました。安政4年（1857年）には左近衛権少将、讃岐守に任じられました。文久元年（1861年）に家督を継ぎ、藩主となりました。

幕末の動乱期には、親藩であり、徳川慶喜と縁戚関係にあったことから、佐幕派として京都・摂津方面の警備を担当しました。元治元年（1864年）の禁門の変では御所の警護を務めています。

慶応4年（1868年）の鳥羽・伏見の戦いでは旧幕府軍に与したため、新政府から朝敵とされ、官位を剥奪されました。しかし、頼聰は家臣らと協議し、恭順の意を示し、責任者として家臣を切腹させました。自身は城下の寺に入り謹慎。高松城は無血開城され、一時土佐藩に占領されましたが、同年4月には罪を許され、官位を復されました。

維新後は藩政から遠ざかり、明治2年（1869年）の版籍奉還で高松藩知事に任じられましたが、 вскоре впоследствии 松崎渋右衛門が暗殺され、阿野郡北部で百姓一揆が起こるなど、領内は混乱しました。明治4年（1871年）の廃藩置県で知藩事を免官。松崎暗殺事件に関する虚偽の報告をしたとして閉門処分を受けています。東京への移住に反対する一揆も発生し、高松は混乱が続きました。

明治17年（1884年）に華族令により伯爵となり、明治36年（1903年）に70歳で亡くなりました。墓所は谷中霊園から法然寺に移築されています。

栄典

頼聰は、明治期に多くの栄典を受けています。銀杯、木杯、金杯など、様々な品が授与され、正四位、従三位、正三位、従二位と位階も昇進しました。

系譜

父は松平頼恕、母は浅田氏。井伊直弼の娘である於千代を正室に迎えました。多くの子に恵まれ、その中には松平頼寿や松平胖などがいます。また、徳川慶勝の養子となった徳川義礼や、徳川篤敬夫人となった聰子などもいます。

亀阜小学校

高松市立亀阜小学校は、頼聰の別館「亀阜荘」に県学亀阜学校として設置されたのが始まりです。

松平頼聰は、幕末から明治にかけて激動の時代を生きた大名であり、その生涯は、時代の変化に翻弄されながらも、家を守り、 народを思う姿を伝えています。

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