検事とその妹

『検事とその妹』は、竹田敏彦の小説『検事の妹』を原作とした、日本の映画作品です。この物語は、兄妹の固い絆と、その後の人生における試練を深く描いています。

初期の映画化（1937年）

1937年、日活によって初めて映画化されました。この作品では、主演の岡譲二が兄の検事、原節子が妹を演じ、兄妹の繊細な感情を表現しています。また、ディック・ミネが歌う主題歌『人生の並木道』は、佐藤惣之助作詞、古賀政男作曲で、当時大ヒットしました。この歌は、映画の悲哀と希望を象徴するメロディーとして、多くの人々の記憶に残っています。

キャスト

矢島健作：岡譲二
矢島明子：原節子
柴野秀雄：伊沢一郎
その他：小林重四郎、高木永二、広瀬恒美、星玲子

スタッフ

監督：渡辺邦男
原作：竹田敏彦
脚本：荒巻芳郎・玉川映二
撮影：渡辺孝

リメイク版（1956年）

1956年には、新東宝によってリメイクされました。丹波哲郎が兄の検事を演じ、日比野恵子が妹を演じています。このリメイク版では、オリジナル版の物語をさらに深く掘り下げ、キャラクターの内面をより詳細に描いています。

キャスト

矢島健作：丹波哲郎
矢島明子：日比野恵子
秋本静江：筑紫あけみ
秋本亮一：北原隆
芝野秀雄：天知茂
芝野貞雄：中村彰
前田民蔵：高村洋三
その他：江川宇礼雄、北沢彪、徳大寺君枝、高松政雄、御木本伸介、三原純、万代裕子、宮田文子、真山くみ子、武村新、藤村昌子、高田稔

スタッフ

監督：古賀聖人
原作：竹田敏彦
脚色：外山凡平
音楽：利根一郎

テレビドラマ化（1961年）

1961年11月28日には、フジテレビの『シャープ火曜劇場』でテレビドラマ化されました。北村和夫が兄の検事を演じ、大空真弓が妹を演じています。テレビドラマ版は、短い時間の中で、映画版とは異なる新たな視点から物語を描いています。

キャスト

矢島：北村和夫
明子：大空真弓
芝野：川辺久造
川崎：安部徹
竹子：南美江
静江：大塚道子

あらすじ

物語は、幼くして両親を亡くした兄、矢島健作と妹、明子の二人を中心に展開します。健作は苦労の末に念願の検事となり、明子も結婚が決まり、幸せな生活が始まるかに見えました。しかし、ある事件をきっかけに、健作は明子の婚約者である柴野秀雄を検挙せざるを得なくなります。この出来事は、兄妹の絆を試すだけでなく、人間関係の複雑さ、正義とは何かを観る者に問いかけます。

『検事とその妹』は、時代を超えて、多くの人々に感動を与えてきた作品です。映画、テレビドラマと様々な形で語り継がれ、それぞれの時代背景の中で、兄妹の愛、正義、そして人間の弱さを深く考察しています。

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