標準周波数局

標準周波数局とは

標準周波数局は、電波法に基づき定義された無線局の一種で、その主な役割は、科学、技術、その他の目的のために利用される、極めて正確な特定の周波数の電波（標準電波）を発射することです。この電波は、一般的に受信されることを前提としており、精密な時間管理や周波数測定など、幅広い分野で活用されています。

定義

総務省の電波法施行規則では、標準周波数局は「標準周波数業務を行う無線局」と定義されています。この標準周波数業務とは、「科学、技術その他のために利用されることを目的として、一般的に受信されるように、明示された高い精度の特定の周波数の電波の発射を行なう無線通信業務」と規定されています。

概要

標準周波数局は、標準電波を発射する無線局であり、日本ではJJYとして知られています。現在、免許を受けているのは、福島県田村市都路町の「おおたかどや山標準電波送信所」と佐賀県佐賀市富士町の「はがね山標準電波送信所」の2箇所です。

免許

標準周波数局の種別コードはSSで、免許の有効期間は原則として5年です。ただし、初回に限り有効期限は5年以内の一定の11月30日となります。無線局の目的（用途）は「公共業務用」で、無線局の目的コードはPUB、通信事項は「標準周波数及び標準時の通報」で、通信事項コードはGMSです。

通信の相手方

標準周波数局の通信相手は、電波を受信する「受信設備」となります。

旧技術基準の機器の免許

電波法の改正により、旧技術基準に基づく無線設備の免許は、2017年11月30日までとされ、使用期限は2022年11月30日までとされました。対象となるのは、2005年11月30日までに製造された機器、および経過措置として2007年11月30日までに製造された機器です。新規免許は2017年12月1日以降はできませんが、使用期限はコロナ禍の影響で当分の間、延期されています。詳細については、無線局に関する情報をご確認ください。

運用

標準周波数局の運用は、無線局運用規則第6章に定められており、運用開始にあたっては、電波法に基づき届出が必要です。また、無線局運用規則第140条により、以下の事項が告示されます。

電波の発射または通報の送信を行う時刻
電波の発射または通報の送信の方法
その他、当該業務について必要と認められる事項

操作

標準周波数局は、政令により陸上の無線局と規定されており、送信所の空中線電力が2kWを超えるため、第一級陸上無線技術士による管理が必要です。ただし、この管理は常駐を意味するものではありません。

検査

標準周波数局の検査には、落成検査、定期検査、変更検査があります。

落成検査: 登録検査等事業者による点検が可能で、結果に基づき一部省略できます。
定期検査: 1年周期で実施され、登録検査等事業者による検査が可能で、結果に基づき省略できます。
変更検査: 落成検査と同様です。

沿革

標準周波数局の歴史は以下の通りです。

1940年（昭和15年）：標準電波の発射開始（当時は無線電信法が適用）
1950年（昭和25年）：電波法施行、無線電信法廃止。電波法施行規則制定時に定義。
標準周波数局の免許の有効期限が免許の日から5年以内と規定。
旧法による標準周波数局の免許（無線電信法による標準周波数局に相当する施設の許可）の有効期限は電波法施行の日から2年6ヶ月後（1952年11月30日）と規定。
1952年（昭和27年）：12月1日に最初の再免許、以降の免許の周期はこの日が起点となる。
1993年（平成5年）：電波利用料制度化。
2009年（平成21年）：標準周波数局は無線業務日誌の備付けが不要に。

電波利用料

標準周波数局には、電波法別表第6第9項の「その他の無線局」が適用されます。

その他

JJYは、受信確認証であるベリカードを発行していますが、これは無線局の義務ではなく、あくまで厚意によるものです。

関連情報

無線局
JJY
標準電波

外部リンク

参考になる外部リンク

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