櫛引氏

櫛引氏について

櫛引氏は、日本の氏族の一つで、南部氏の一族に連なるとされています。特に、南部氏の庶流である四戸氏から派生したと考えられており、『奥南旧指録』では、四戸氏の宗家であるとも記されています。

概要

櫛引氏は、南部光行の五男である南部宗朝の子孫と伝えられています。代々「孫四郎」を称し、四戸氏、金田一氏、足沢氏、嶋森氏などと同族でした。彼らは、代々櫛引の地に居住し、その地名にちなんで氏を名乗ったとされています。また、古くから櫛引八幡宮の神事に深く関わっていたと伝えられています。

歴史

根城が栄えていた頃には、根城南部氏に属していましたが、南部守行の時代から三戸南部氏の支配下に入りました。南部信直の時代には、櫛引城を居城とし、2000石の所領を有していました。

しかし、天正19年（1591年）の九戸政実の乱において、当時の当主であった櫛引清長とその弟である清政（『奥南落穂集』では清長の子）は、九戸方に加担し九戸城に入城しました。しかし、豊臣秀次に率いられた奥州再仕置軍によって討伐され、清長は戦死、清政は栗原郡三迫（現在の宮城県栗原市）で処刑され、櫛引氏は没落することとなりました。

その後、清政の孫である政次が盛岡藩に召し抱えられ、子孫は盛岡藩士として存続しました。また、乱の際に秋田へと逃れた清寛（櫛引氏の一族、『奥南落穂集』では清長の弟）の子である重兵衛の家系も盛岡藩士として取り立てられました。

系図

将監
┃
弥六郎
┣━━━┓
清政　　清長
┃　　　┣━━━┓
清次　　興繁　　清政
┃
政次

清長の2子については、『奥南落穂集』に基づいています。

脚注

太田亮『姓氏家系大辞典』によると、櫛引氏は南部氏族の四戸氏の庶流とされ、代々孫四郎を称したとされています。
『角川日本地名大辞典』では、櫛引氏が居住した櫛引の地について詳しく解説されています。

参考文献

太田亮「国立国会図書館デジタルコレクション 櫛引　クシヒキ」『姓氏家系大辞典』 第2、上田萬年、三上参次監修、姓氏家系大辞典刊行会、1934年、2045頁。全国書誌番号:47004572。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 2 青森県』角川書店、1985年12月1日。ISBN 4040010205。
「角川日本姓氏歴史人物大辞典」編纂委員会『角川日本姓氏歴史人物大辞典 第3巻 「岩手県姓氏歴史人物大辞典」』角川書店、1998年5月18日。ISBN 4-04-002030-8。
児玉幸多、坪井清足『日本城郭大系 第2巻 青森・岩手・秋田』新人物往来社、1980年7月15日。

関連項目

櫛引城 – 八戸市櫛引（字）館神
櫛引

外部リンク

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