正定県

正定県：歴史と文化が息づく古都

正定県は、中華人民共和国河北省石家荘市に位置する県です。滹沱河の北岸に位置し、臨済宗発祥の地である臨済寺をはじめとする数多くの歴史的遺産を有することで知られています。その歴史的・文化的価値から、中国の国家歴史文化名城の一つに指定されています。

歴史

正定県の歴史は古く、春秋時代の鮮虞国に遡ります。戦国時代には中山国が建国され、東垣邑が設置されました。その後、趙に滅ぼされ秦による中国統一を経て、東垣邑は東垣県と改編されました。漢代には真定県と改称され、その後も所属や名称の変更を繰り返しましたが、河北中部の政治、経済、文化の中心地としての地位を確立しました。

隋唐代を経て、1723年に現在の正定県という名称になりました。かつては真定国、恒山郡、常山郡、恒州、鎮州、真定府などが置かれた河北中部の中心地でしたが、近代に入り、滹沱河南岸の石家荘に鉄道が開通すると、その経済的地位は徐々に石家荘へと移行していきました。

地名の由来

真定という地名は、漢の高祖・劉邦の逸話に由来します。反逆した陳豨を討伐する際、劉邦は東垣を攻略。その際、守城兵に痛罵されたことに激怒し、城を陥落させた後、兵卒を処刑。地名を東垣から真定に改めたとされています。

行政区画

現在、正定県は2街道、3鎮、5郷を管轄しています。

経済

正定県の経済は農業が中心ですが、近年では食品工業、製薬工業、化学工業などの工場も立地しています。

交通

正定県には、石家荘正定空港があり、空の玄関口としての役割を果たしています。鉄道は京広線、石太線、石徳線が通り、石家荘地下鉄も利用可能です。道路は京石高速道路、石太高速道路が整備されています。

観光

正定県は河北省の古都として、多くの観光資源を有しています。県城城郭や文廟が保全されているほか、隋代に建立された隆興寺などの古跡が点在しています。特に臨済寺は、臨済義玄が臨済宗を興した寺院として有名です。その他、広恵寺、天寧寺、開元寺、福慶寺など、東魏から唐にかけての仏教寺院の建物や跡が存在します。

出身者

正定県は、歴史上の人物を数多く輩出しています。

趙佗 - 南越国の建国者
趙雲 - 三国時代の蜀漢の武将
* 王士珍 - 清末民初の軍人・政治家


正定県は、豊かな歴史と文化が息づく魅力的な都市です。古都の風情を感じながら、歴史散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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