武藤裕代

武藤 裕代

1977年6月21日、北海道帯広市に生まれた武藤裕代（むとう ひろよ）は、日本の元女子プロレスラーです。身長170cm、体重80kg、血液型O型という体格を誇りました。

キャリア初期と吉本女子プロレスJd'時代

武藤裕代のプロレスラーとしての第一歩は、吉本女子プロレスJd'への入門から始まりました。1998年8月28日、Cooga戦でプロデビューを果たします。

2001年には、同郷の先輩レスラーである大森ゆかりの下で、自身の代名詞ともなるチョップ技の本格的な修行を積みました。これは後のキャリアにおいて、彼女の試合スタイルを特徴づける重要な要素となります。

2002年には、ファング鈴木、救世忍者乱丸と共にトリプルスレットという異色のユニットとして活動し、リングに新たな色を加えました。

転換期とタイトル戦線

キャリアにおける大きな転換期は2003年に訪れます。3月23日には横浜文化体育館で行われた大会で、TAKAみちのくとのシングルマッチを経験。この試合をきっかけに、武藤はTAKAとタッグチームを結成します。

このタッグはすぐに結果を残しました。4月13日には、WANTED!?からTWF世界タッグ王座を獲得しますが、ベルトは同日中に再び相手チームの手に渡るという波乱の展開となります。

さらに同年5月31日、クイーン・オブ・ザ・リング（QOR）選手権でファング鈴木に敗れた武藤は、ペナルティとしてリングネームを「カニみそ花子」へと強制的に変更させられる屈辱を味わいます。しかし、彼女はこの屈辱を乗り越え、8月10日の再戦で見事勝利を収め、QORベルトと共に本名の「武藤裕代」を取り戻しました。

クロウへの変身とデスマッチ

2003年後半、武藤は「クロウ」という新たなキャラクターに変身します。11月24日に川崎市体育館で開催された興行では、クロウとしてファング鈴木とタッグを組み、特殊な形式である天井付き金網デスマッチでザ・ブラディー＆桜花由美組が保持するTWF世界タッグ王座に挑戦しました。この過酷な試合をエスケープ勝ちで制し、第20代王者となりました。

年が明ける前の12月28日には、後楽園ホールでの通常ルールによる防衛戦で、再びザ・ブラディー＆桜花由美組を相手に初防衛に成功します。

しかし、2004年1月18日、同じく後楽園ホールで行われた防衛戦で、LSD2004ルールという特殊ルールの中で5対6のスコアで敗れ、王座から陥落しました。

所属の変遷と引退

2004年4月29日、所属していた吉本女子プロレスJd'がJDスター女子プロレスへと改称し、経営方針の変更に伴う選手大量解雇が行われました。武藤もこの影響を受けますが、同じ境遇にあった選手たちが立ち上げたセルフプロデュースチーム「Team OK」に合流し、活動を継続します。

Team OK解散後はフリーランスとしてリングに上がり続けました。また、男子プロレス団体であるガッツワールドには、「松井ファミリー」の一員である「松井裕代」として登場するなど、様々なリングでキャリアを積みました。

プロレスラーとして約10年間のキャリアを積み重ねた武藤裕代は、2008年12月21日をもって現役を引退することを表明し、リングに別れを告げました。

得意技

武藤裕代が主に得意とした技には以下のようなものがあります。

Mボム
垂直落下式ブレーンバスター
袈裟斬りチョップ
アルゼンチンバックブリーカー
青い稲妻

獲得タイトル

キャリアの中で、武藤裕代は以下のタイトルを獲得しています。

クイーン・オブ・ザ・リング王座（吉本女子プロレスJd'）
TWF世界タッグ王座（吉本女子プロレスJd'、パートナー：TAKAみちのく、第16代）
Jd'ジュニア王座（吉本女子プロレスJd'）

その他

プロレス活動以外では、映画『ワイルド・フラワーズ』に出演した経験もあります。

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