歩(ぶ、拼音: bù プー)とは
「歩」は、東アジアで古くから用いられてきた
長さと
面積の
単位です。
尺貫法において重要な役割を果たしてきました。その歴史と変遷を紐解き、各地域における「歩」の違いを見ていきましょう。
中国における歩
歩の起源は古代中国の
周代に遡るとされ、当初は身体
尺に基づいた
単位でした。右足を踏み出し、次に左足を踏み出した際の、起点から左足までの
長さが「1歩」とされました。この
長さは現代の1.35m程度に相当すると考えられています。
時代と共に歩の
長さは変化しました。
秦・
漢時代には6
尺と定義され、当時の
尺が23cm程度であったことから、1歩は約1.38mと算出されます。しかし、
尺の
長さが時代とともに伸びたため、歩の
長さも変動しました。
隋代には約1.77mにまで伸びたとされています。
唐代には5
尺と定義されましたが、これは
尺の伸びを補正した結果であり、実質的な
長さは変化していません。
清代までこの5
尺の歩が使用されました。
1915年の権度法では、1歩は5
尺と定義され、
メートル法に換算すると1.6mとなりました。ただし、
面積の
単位としては定義されていません。
1929年に定義された市制では「歩」は廃止され、
長さは
丈(10
尺)、
面積は畝・分・
厘・毫という十進法的な
単位系が使用されるようになりました。
日本における歩
日本では伝統的に、
長さとしての歩は6
尺、
面積としての歩は6
尺平方とされてきました。これは
長さでは1
間、
面積では1
坪に相当します。
1891年の度量衡法では、
面積の
単位としてのみ定義され、
メートル法換算で約3.305785124平方
メートルとなります。
朝鮮における歩
朝鮮半島では、距離測定に通
常より短い「
周尺」という約20cmの
尺が使用されていました。1歩は
周尺で6
尺にあたり、約1.2mとなります。1909年に日本の
尺貫法に基づいた度量衡法が導入されましたが、1964年には
メートル法に統一され、「歩」は使われなくなりました。現在、「歩」という言葉が使われる場
合、日本式の1.8mの歩を意味することが多いですが、分野によっては1.2mを指すこともあります。
各地域の歩の比較
地域 | 長さ(約) | 面積(約) | 備考 |
---|
-- | -- | -- | --------- |
古代中国 | 1.35m | 1.822 m2 | 周代の身体尺に基づく |
秦・漢 | 1.38m | 1.9 m2 | 6尺と定義 |
隋 | 1.77m | 3.14 m2 | 尺の伸びによる |
唐 | 1.56m | 2.42 m2 | 5尺と定義。尺の伸びを補正 |
清 | 1.6m | - | 1915年権度法 |
日本 | 1.8m | 3.305785124 m2 | 6尺平方(1坪) |
朝鮮 | 1.2m | - | 周尺に基づく |
関連項目
* パッスス - 歩幅を元にした古代ローマの
単位。
このように「歩」は、歴史と文化の中で様々な変化を遂げてきた
単位です。その変遷を理解することで、各地域の歴史や文化に対する理解を深めることができるでしょう。