毋部

毋部（ぶぶ）についての解説

毋部は、漢字を部首に基づいて分類する体系の一部であり、康煕字典において214部首の中では80番目に位置しています。この部首には、主に「毋」、「毌」、および「母」といった漢字が含まれています。毋部は、漢字の筆画に関連する特性を持っており、漢字学において重要な役割を果たしています。

概要

単独の「毋」という字は、「母」という漢字の中心部を簡略化した形であり、隠喩的に「禁止」「不必要」といった意味を持つ助動詞としても利用されます。また、古代の文献『説文解字』によると、毋の字形は「女」という要素に基づき、その中に「一」という形を加えたものと説明されていますが、これは誤りの認識です。

日本の新字体においては、「母」以外の多数の漢字は「毋」の形に改変されています。例えば、「毎」、「海」、「敏」、「繁」などが挙げられます。ただし、この変更は常用漢字表の範囲内でのみ適用され、表外の字、たとえば「誨」などは「母」として残ります。また、康煕字典では「母」を毋部の一例として扱い、その字形を含む漢字に関する分類においても、一条の基準にしています。対照的に、中国大陸の現行の部首分類では「母」を「毋」の附形部首として扱っており、日本の漢和辞典においても、いくつかは同様の扱いを採用しています。

部首の通称

部首の名称は地域によって異なり、日本では「なかれ」や「ははのかん」と称されます。韓国では「말무部（mal mu bu）」という名称が使われ、これは「なかれの毋部」を意味します。英語圏では「Radical do not」と呼ばれていることもあります。

部首字

• - 毋：部首自体を表す文字です。

音韻情報

中古音

• - 広韻：武夫切、虞韻
• - 詩韻：虞韻、平声
• - 三十六字母：微母

現代音

• - 普通話：ピンイン：wú、注音：ㄨˊ、ウェード式：wu 2
• - 広東語：Jyutping：mou4、イェール式：mou4
• - 日本語：音：ブ（漢音）・ム（呉音）、訓：なかれ
• - 朝鮮語：訓音：말（mal、なかれ）、無（mu）

例字

毋部に分類される漢字の例には次のようなものがあります：
1. 毋
2. 毌
3. 母
4. 毎
5. 毒
6. 毓

このように、毋部は漢字の音や意味の理解において、また文化的背景を探る上でも非常に重要な部首であります。

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