毛利元昭

毛利元昭：旧長州藩主家の当主、公爵、政治家

毛利元昭（1865年 - 1938年）は、日本の華族であり政治家でした。旧長州藩主・毛利家の第29代当主として、公爵の爵位を有し、貴族院議員も務めました。号は琢堂。

生涯

元昭は元治2年（1865年）に、長州藩最後の藩主であった毛利広封（後の元徳）の長男として誕生しました。幼名は興丸。明治維新後には東京へ移住しています。父・元徳は、毛利家の拠点を山口から防府三田尻御茶屋へ移し、明治3年（1870年）には多々良山周辺を買収して多々良御殿を建設し、完成後に移り住みました。元昭は天皇に拝謁するために上京する時を除き、生涯のほとんどをこの御殿で過ごしたと伝えられています。

1916年（大正5年）には『実業之日本』の「華族・富豪の宅地の広さ番付」で、大関の格（2万7000坪）を得ています。

明治30年（1897年）1月21日に家督を相続し、公爵位を襲爵。貴族院公爵議員となりました。明治44年（1911年）1月20日には麝香間祗候となっています。

多々良御殿は平成8年（1996年）に毛利氏庭園として整備され、国の名勝に指定されました。現在は公益財団法人毛利報公会の管理のもと、一般公開されています。

栄典

元昭は、その功績により数々の栄典を授与されています。

1897年（明治30年）7月2日 - 従三位
1901年（明治34年）6月21日 - 正三位
1906年（明治39年）4月1日 - 勲四等旭日小綬章
1908年（明治41年）6月30日 - 従二位
1911年（明治44年）11月6日 - 勲三等旭日中綬章
1915年（大正4年）11月10日 - 大礼記念章
1916年（大正5年）12月26日 - 勲二等旭日重光章
1916年（大正5年）7月10日 - 正二位
1929年（昭和4年）
2月18日 - 紺綬褒章飾版
12月21日 - 紺綬褒章飾版
1931年（昭和6年）10月3日 - 紺綬褒章飾版

系譜

元昭の系譜は以下の通りです。

父：毛利元徳（長州藩第14代藩主）
母：安子（長府藩主・毛利元運の次女、毛利敬親の養女）
兄弟：小早川三郎、小早川四郎、毛利五郎、大村徳敏、西園寺八郎
前妻：富子（尾張藩主・徳川慶勝の八女、離婚後、子爵戸田康泰の後妻）
後妻：美佐子（三条実美の三女）
子女：
長女：顕子（侯爵醍醐忠重夫人）
次女：茂登子（子爵愛宕通経夫人）
長男：毛利元道（第30代当主、公爵）
次男：小早川元治（男爵、小早川四郎養子）
三女：浜子（子爵戸田忠粛夫人）
妾：河北ツヤ

登場作品

毛利元昭は、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』（2015年）に登場しました。演じたのは、山中琥治郎、名倉央、板垣瑞生です。

脚注

* 参考資料：『江戸三百藩殿様のその後』朝日新聞社。ISBN 978-4-02-273160-9

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