水野守信

水野守信（みずの もりのぶ）

水野守信は、天正5年（1577年）に生まれ、寛永13年12月25日（1637年1月21日）に没した、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将です。江戸幕府の旗本寄合であり、後に惣目付という要職を務めました。幼名は新七郎、通称は半左衛門と称し、官位は従五位下・河内守でした。

生い立ちと初期の活躍

父は水野守次であり、母は側室で北小路公頼の娘である菊、または水野信元の娘とも伝えられています。守信は母の菊と母方の祖父である北小路公頼に養育されました。

徳川家康に仕え、会津征伐に従軍し、その功績により旗本として3500石を賜りました。慶長10年（1605年）には、徳川秀忠が上洛する際に供奉を務めました。その後、書院番として活躍し、元和3年（1617年）には使番に任命されました。

長崎奉行としての活動

寛永3年（1626年）には長崎奉行に就任し、キリシタンの取締りを強化しました。特に、踏み絵を考案した人物としても知られています。この政策は、キリスト教の信仰を抑制するためのもので、幕府の宗教政策に大きな影響を与えました。

大坂町奉行と堺奉行

寛永5年（1628年）2月2日には大坂町奉行に任命され、寛永6年（1629年）2月6日からは堺奉行も兼任しました。これらの役職を通して、幕府の重要な都市における行政を担いました。

惣目付としての役割

寛永9年（1632年）12月17日には、秋山正重、柳生宗矩、井上政重とともに惣目付に任じられました。惣目付は、諸大名の動向を監視し、幕府の政策を徹底させる重要な役職であり、これが後の大目付の起源となりました。寛永11年（1634年）には1500石を加増され、その功績を認められました。

死去とその後

寛永13年（1637年）に死去し、法名は全叟宗元です。自身が開基した京の嵯峨天龍寺の塔頭である永明院に葬られました。家督は養子である水野守政（娘の子）が継ぎました。

水野守信は、その生涯を通じて、武将としての勇猛さだけでなく、行政官としての手腕も発揮しました。特に長崎奉行としてのキリシタン取締りは、江戸幕府の宗教政策を語る上で欠かせない出来事であり、彼の影響は非常に大きかったと言えるでしょう。

家族

正室は有馬豊氏の娘です。子女には、荒尾重就（池田光仲家臣）の室、兵助（早世）、水野守政（養子、娘の子）、清三郎（早世）、成瀬正勝室、織田信当室、徳山重政室（のち離縁）がいます。

参考文献

* 『寛政重修諸家譜』巻第339

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