水野忠穀

水野忠穀（みずの ただよし）

水野忠穀は、宝永4年（1707年）に生まれ、寛保2年8月24日（1742年9月22日）に36歳で亡くなった江戸時代の旗本です。沼津藩水野家の7代目であり、通称は惣兵衛と名乗っていました。

生い立ちと家督相続

忠穀は、信濃国松本藩の3代藩主である水野忠直の九男として生まれました。4代藩主である水野忠周の弟にあたります。子には、長男の水野忠友、三男の松平信志、そして三人の娘がいます。娘たちはそれぞれ、中根正均、水野忠隣、牧野成如に嫁ぎました。官位は出羽守です。

忠穀の人生は、甥である松本藩主の水野忠恒の不祥事によって大きく左右されました。享保10年（1725年）7月28日、忠恒は長府藩世子（後の7代藩主）の毛利師就に対して刃傷沙汰を起こし、改易となって川越藩にお預けとなりました。この事件により水野家は存続の危機に瀕しましたが、水野氏が徳川家康の母である於大の方の生家であったことから、家名存続を願う声が高まりました。

分家の若年寄である水野忠定の尽力により、同年8月27日、叔父にあたる忠穀が家督を相続することが許されました。しかし、その際、信濃国佐久郡7000石の旗本（高野町知行所）として、かろうじて名跡を保つに留まりました。忠恒はその後、忠穀の江戸屋敷に預けられることになります。

旗本としての活躍

高禄の旗本となった忠穀は、元文元年（1736年）1月28日に定火消に任じられ、同年10月15日には書院番頭に昇進しました。同年12月16日には従五位下出羽守に叙任されています。元文4年（1739年）3月15日には大番頭となり、その後、大坂城の守衛を務めましたが、寛保2年（1742年）に36歳という若さで亡くなりました。

子孫の活躍

忠穀の世子である忠友は、後に田沼意次の元で加増を受け、大名として返り咲いています。忠穀自身は不運な出来事により一時的に家禄を減らされましたが、その子孫は再び大名として活躍することになりました。

関連事項

* 水野氏

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