永利町

永利町（ながとしちょう）は、鹿児島県薩摩川内市の中央部に位置する町です。かつては「山田」と呼ばれており、その歴史は平安時代末期にまで遡ります。この地域は、薩摩国薩摩郡山田郷、薩摩郡永利郷山田村、薩摩郡永利村大字山田、川内市永利町と変遷を経てきました。現在の郵便番号は895-0005であり、2020年10月1日時点での人口は4,256人、世帯数は1,556世帯です。

地理

永利町は、薩摩川内市の中央部、平佐川の中流域に位置しています。字域の北には中村町、北から東にかけては樋脇町塔之原、南には樋脇町市比野、南から西にかけては百次町、西には平佐町、天辰町がそれぞれ隣接しています。

町の北部には、市立少年自然の家てらやまんちや薩摩川内市せんだい宇宙館が設置されており、地域住民の教育やレクリエーションの場として利用されています。また、町の中央部には川内市永利町交差点を中心に、県道333号線（川内祁答院線）が北へ、県道336号線（山田隈之城線）が南へ伸びており、南側では西方向に進路を変えています。東西には県道42号線（川内加治木線）が走り、交通の要衝となっています。

歴史

永利町の前身である「山田」という地名は、平安時代末期頃から見られるとされています。記録としては、久安3年の入来院弁済使別当伴信房解状に初めて登場し、鎌倉初期頃のものと見られる書面も発見されています。

中世には、永利を治めていた永利氏が周辺に勢力を広げましたが、南北朝時代末期に没落しました。その後、室町時代には入来院氏がこの地を治めるようになり、後に島津氏に組み込まれ、江戸時代には薩摩藩の直轄領となりました。江戸時代には薩摩郡山田郷に属し、村高は時代によって変化しましたが、「検地目録」や「天保郷帳」では1,882石余、「旧高旧領」では1,393石余であったと記録されています。明治2年には山田郷と百次郷が統合され、永利郷の一部となりました。

1889年（明治22年）の町村制施行に伴い、永利郷の区域から薩摩郡永利村が成立し、山田村は永利村の大字「山田」となりました。1956年（昭和31年）9月30日には、永利村が薩摩郡高江村と共に川内市に編入されました。その後、同年10月19日に鹿児島県公報で旧永利村大字山田の区域をもって川内市の町「永利町」が設置されたことが告示されました。

2004年（平成16年）には、川内市を含む周辺の市町村が合併し薩摩川内市が誕生しました。この際、旧川内市の町・字は「現行通りとする」と協定されたため、永利町の名称は変更されず、現在に至っています。

人口

国勢調査によると、1995年以降、永利町の人口は以下のように推移しています。

（データは省略）

施設

公共

• - 川内市医師会立市民病院
• - 市立少年自然の家てらやまんち
• - 薩摩川内市せんだい宇宙館
• - 永利郵便局

寺社

• - 久木原神社
• - 天乞神社
• - 若宮神社
• - 永樂寺

その他

• - 川内永利中継局

文化財

国指定

• - 永利のオガタマノキ（天然記念物）

石神神社境内にある樹齢約800年のオガタマノキは、天照大御神が天岩戸隠れをした際に、天鈿女命がこの木の枝を持って舞を踊ったという伝説が残っています。1944年（昭和19年）に国の天然記念物に指定されました。

学区

市立小・中学校に通う場合の学区は以下の通りです。

（学区情報は省略）

交通

道路

• - 主要地方道：鹿児島県道42号川内加治木線
• - 一般県道：鹿児島県道333号川内祁答院線、鹿児島県道336号山田隈之城線

その他

• - 永利（曖昧さ回避ページ）

永利町は、歴史と自然が調和した魅力的な町です。古代から続く地名、中世の歴史、そして現代の施設が共存しており、多くの人々にとって、魅力的な場所となっています。

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