沮授

沮授について

生涯の概要

沮授（そじゅ、? - 200年）は、中国の後漢時代末期に活躍した政治家であり武将です。冀州の鉅鹿郡広平県出身で、彼の弟は沮宗、子供は沮鵠です。若い頃から大志を抱き、権謀術策に長けていたため、後に多くの歴史的事件に関与することになります。

初期のキャリア

沮授はまず別駕として任命され、さらに茂才として推挙されて県令に就任します。その後、冀州牧である韓馥のもとで別駕と騎都尉として仕えることになります。韓馥が袁紹に冀州を譲渡しようとした際、沮授は他の幕僚と共にそれを諫めましたが、韓馥の意志は変わりませんでした。この結果、袁紹が冀州を掌握した後も、沮授は彼に仕官し続けることとなります。

沮授の能力が発揮されたのは、冀州、青州、幽州、并州の4州を平定し、長安に皇帝を迎え入れる戦略を袁紹に提案した際です。この戦略は高く評価され、監軍及び奮威将軍に任命されました。建安4年（199年）、袁紹は彼の指導のもと4州を平定することに成功しました。

官渡の戦いとその後の運命

建安5年（200年）、官渡の戦いが始まる直前に、沮授は袁紹の敗北を予見し、家族に資財を分配しました。戦闘が開始されると、彼は袁紹に対して顔良の能力が限られていることを指摘しましたが、その後彼は一連の戦術に反映されず、戦局は悪化してしまいます。

戦の遂行に疑念を持ちながらも沮授は、持久戦を進言したものの受け入れられず、袁紹が敗北した後、彼は曹操軍に捕らえられます。曹操は沮授の能力を惜しみ、彼を配下に迎え入れようとしましたが、沮授は頑なにこれを拒絶し、その結果処刑されることとなりました。

後世の評価

歴史家孫盛は、沮授と田豊の謀略を古代の名参謀、張良や陳平に匹敵するものだと称賛しています。このことから、沮授がいかに戦略家として認識されていたのかが伺えます。また、彼の生涯は小説『三国志演義』の中でも描かれており、悲劇の参謀としての姿が強調されています。

小説『三国志演義』における沮授

この小説では、沮授は当初韓馥の部下であったことには触れられず、主に史実に基づいた展開を辿ります。彼は持久戦を提案しながらも無視され、最終的には曹操の降伏勧告に従わず死を選ぶ運命を辿ります。曹操が「忠烈沮君之墓」と碑を立て、西の黄河の渡し場で彼の死を悼む場面も描写されています。

まとめ

沮授の人生は、権謀と政治が交錯する歴史の中で、いかに人間の選択が運命を左右するかを示しています。彼の戦略的思考は古代の偉大な将軍たちに引けを取らないものであり、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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