浜口末男

パウロ浜口末男司教

日本のカトリック教会において、大分司教区の司牧にあたったパウロ浜口末男司教（Paul Sueo Hamaguchi）は、1948年8月1日に生を受け、2020年12月28日に帰天した人物である。洗礼名はパウロ。

生い立ちと司祭への道

浜口末男氏は、1948年8月1日、信仰篤い土地として知られる長崎県長崎市の西出津町で誕生した。カトリック出津教会で幼少期から信仰を育み、司祭職への召命を感じるに至る。司祭になるための学び舎として、福岡に所在するサン・スルピス大神学院で神学を修めた。この学院では、後にカトリック大阪教区大司教、そして枢機卿となる前田万葉氏と同期生として、共に学びを深めた。

司祭としての奉仕

神学校での課程を終えた浜口氏は、1975年3月19日に司祭に叙階された。叙階後、同年3月26日にカトリック大浦教会助任司祭として最初の任地に赴いた。その後、故郷ともいえるカトリック出津教会に異動し、1978年3月13日からは主任司祭として信徒の指導にあたった。さらに1984年3月24日からはカトリック大曽教会の主任司祭を務めるなど、それぞれの地域で教会の中心的な役割を担った。

1992年3月3日からは、カトリック長崎大司教区立長崎カトリック神学院に移り、未来の司祭を育成する教育・養成の場で奉仕した。ここでは教員として教鞭を執る傍ら、後に神学院の院長として、教会の将来を担う若者たちの霊的、知的、人間的な成長を促す重要な任務も担った。

高松司教区での活動

2005年には、それまで長きにわたり奉仕した長崎の地を離れ、カトリック高松司教区へと派遣されることとなった。高松教区では、まず教区事務局長として教区運営の実務に深く携わり、同時に小豆島教会の主任司祭を兼務した。2008年からは、教区の中心である高松司教座聖堂、通称桜町教会の主任司祭として、より多くの信徒の霊的指導にあたるなど、重要な役割を担い続けた。

大分司教区司教への任命と叙階

カトリック高松司教区での奉仕を経て、浜口氏は新たな召命に応えることになる。長らく空席となっていたカトリック大分司教区の司教として、教皇ベネディクト16世から任命を受けたのは2011年3月25日のことである。この特別な日には、奇しくも高松教区で共に働いていた諏訪榮治郎神父もまた、高松教区の司教に任命されており、二人の新たな出発が期せずして重なった。任命発表時、一部メディアでは氏名が「末雄」と誤って報じられたが、その後正式な名の「末男」に訂正されたという経緯がある。

司教叙階式は、任命からおよそ三ヶ月後の同年6月26日、大分県の別府市に位置する国際コンベンションセンター・ビーコンプラザにて盛大に執り行われた。司教叙階の秘跡は、故郷である長崎大司教区の高見三明大司教が主司式を務め、多くの司祭や信徒が見守る中で荘厳に進められた。こうして、浜口末男神父はカトリック大分司教区の司牧責任者である司教として歩み始めた。

帰天

カトリック大分司教区の司教として、教区の信徒の信仰生活を導き、教会共同体の発展のために全力を尽くしてきた浜口司教であったが、2020年12月28日、悪性黒色腫との闘病の末、大分大学医学部附属病院にて帰天した。享年72歳であった。

浜口司教の葬儀ミサは、帰天から二日後の同年12月30日、大分司教座聖堂であるカトリック大分教会において、多くの参列者に見守られながら厳かに執り行われ、故人の魂の安息が祈られた。さらに、年が明けた2021年1月11日には、改めて浜口司教を偲ぶ追悼ミサが献げられた。その生涯は、故郷長崎に始まり、各地での司祭としての奉仕、そして大分司教区の司牧者としての献身をもって閉じられた。

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