浮田左武郎

浮田佐武郎の生涯と業績

浮田佐武郎（うきた さぶろう）は、1909年12月25日に生まれ、1987年3月27日にこの世を去った日本の俳優であり、著作家です。彼の人生は、舞台、映画、テレビドラマ、そして文筆活動と多岐にわたり、日本の演劇史に深い足跡を残しました。浮田は、八丈島に配流された宇喜多一族の血を引いており、その出自もまた、彼の人生に独特の深みを与えています。

若き日の歩み

東京府北豊島郡板橋町（現在の東京都）で生まれた浮田は、立教大学を卒業後、演劇の世界へと足を踏み入れます。新築地劇団に入団し、本格的な演劇活動を開始しました。その後、榎本健一一座（エノケン一座）に所属し、コメディからシリアスな役まで幅広く演じました。この時期の経験は、後の彼の演劇活動の基礎となりました。

戦時中の活動

戦時中は、移動劇団である瑞穂劇団に所属し、全国各地で演劇を上演しました。この時代、浮田は俳優としてだけでなく、戯曲も執筆しており、その才能を多方面に発揮していました。

戦後の活躍

戦後、浮田はテレビドラマにも活躍の場を広げました。数多くのドラマに出演し、その演技力で視聴者を魅了しました。

主な出演作品

テレビドラマ
陽のあたる坂道（1959年）
スリラー劇場 / 夜のプリズム「市長死す」（1959年）
判決（1962年-1966年）
日産スター劇場 / 何処へ（1964年）
三匹の侍
第5シリーズ 第1話「われらお尋ね者」（1967年）
第5シリーズ 第21話「助三郎覚書」（1968年）
第6シリーズ 第12話「土は哭いていた」（1968年）
若者たち 第30回「橋よ いつの日か…」（1966年）
河童の三平 妖怪大作戦（1968年 - 1969年）
戦え! マイティジャック 第19話「くいとめろ人間植物園!」（1968年）
怪奇大作戦 第23話「呪いの壺」（1969年）
鬼平犯科帳
第39話「猿（ましら）の銀次郎」（1970年）
第2シリーズ 第5話「狐火（後編）」（1971年）
ファイヤーマン 第17話「マグマに消えたファイヤーマン」・第18話「やったぞ! ファイヤーダッシュ」（1973年）
若さま侍捕物手帖 第8話「細腕の殺し屋」（1973年）
必殺仕掛人 第21話「地獄花」（1973年）
水戸黄門
第5部 第20話「親をだました親孝行 -徳山-」（1974年）
第6部 第24話「うなぎ屋の助太刀 ‐浜松‐」（1975年）
第7部 第30話「おふくろさまは山びこ・上田」（1976年）
第10部 第10話「婿入り八丁味噌・岡崎」（1979年）
鬼平犯科帳 (丹波哲郎)（1975年）
あかんたれ（1976年）

映画
エノケンの鞍馬天狗（1939年）
エノケンの森の石松（1939年）
エノケンの弥次喜多（1939年）
太陽のない街（1954年）
ここに泉あり（1955年）
旅路（1967年）
祇園祭（1968年）
魔性の女（1968年）
新座頭市物語 笠間の血祭り（1973年）

吹き替え
アメリカを震撼させた夜（デイヴィス尊師【ウィル・ギア】）
禁じられた遊び（司祭【ルイ・サンテーブ】）
刑事コロンボ・忘れられたスター（レイモンド【モーリス・エヴァンス】）
十二人の怒れる男（陪審員9番【ジョセフ・スィーニー】）
ソイレント・グリーン（ソル・ロス【エドワード・G・ロビンソン】）
逃亡者　#103(ジョセフ・コラック【ルドウィック・ドナース】)

テレビアニメ
鉄腕アトム (アニメ第1作)

舞台
旅立ち（1975年）

文筆活動

浮田は、演劇に関する著作も多数残しています。戯曲、演劇論、演劇史など、その執筆活動は多岐にわたり、日本の演劇研究に貢献しました。

主な著作

戯曲
「海へ征く日」
『牛にのった花嫁』
演劇論・演劇史
「築地小劇場の跡」
「メーキヤップの技術」
「歌と・エノケンさんと・生活と」
『プロレタリア演劇の青春像』
「丸山定夫はいまどこに」
「断想FLASH BACK (滝沢修<特集>」
「秋山槐三と私」
* 『俳優の前に人間であれ』



浮田佐武郎は、俳優としてだけでなく、著作家としても優れた才能を発揮し、日本の演劇界に多大な貢献をしました。彼の作品は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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