海保 (市原市)

千葉県市原市海保（かいほ）

概要

海保は、千葉県市原市北西部の五井地区に位置する大字です。かつては海保村という独立した村でしたが、町村合併を経て現在に至ります。地域内には、館山自動車道が東西に走り、市原サービスエリア（下り）が設置されているなど、交通の便が良い場所です。また、海保には「中谷」「中郷」「上郷」「南和」の4つの町会が組織され、地域住民によるコミュニティ活動も活発に行われています。

地理

海保は南北に細長い形状をしており、北部は養老川流域の平坦な地形、南部は丘陵地となっています。この地形の違いが、地域の景観に多様性をもたらしています。周辺地域との境界は、北に柏原、廿五里、町田、東に今富、南に立野、豊成、南西に泉台、片又木、西に畑木といった町丁字と接しています。

地価

2000年1月1日時点での国土交通省の地価公示によると、海保字堰上1632番2の地価は1平方メートルあたり8,000円でした。しかし、この地点以降、国土交通省による海保の地価公示は行われていません。

歴史

前近代

古代、海保一帯は上海上[[国造]]の中心地の一つであり、海保大塚古墳などの遺跡が残っています。律令制下では海上郡に属していました。海上郡は、中世になると海北郡、佐是郡、真野郡といった中世的な郡単位へと細分化されました。海北郡の範囲は明確ではありませんが、養老川以西、馬立以北で、東は姉崎に至る地域とする説があります。海保の地名は、海北が転じたとする説や、古代海上郡に置かれた「海上保」が簡略化されたとする説があります。この地は「海保荘」や「海保郡」とも呼ばれました。

近世

江戸時代初期、海保村は姉崎藩領となり、その後幕府領や旗本領となりました。1594年の「石高覚帳」では「海宝村」とあり、村高は1042石でした。江戸時代中期以降は、村高が800石台に落ち着いています。養老川から離れた高台に位置していたため、村内には10か所の堰が設けられ、農業用水として利用されました。

近代

明治時代初期、海保は[[菊間藩]]領を経て木更津県、そして千葉県に編入されました。1874年には、森厳寺に海保小学校が開校しました。1889年の町村制施行により、海保村は周辺の5か村と合併し、東海村の大字となりました。

現代

20世紀末には、海保南部の里山が荒廃しましたが、21世紀に入ると開発が進み、残土で埋め立てられた谷にはソーラー発電所が建設されました。また、大規模な物流団地も造成され、地域の様相は大きく変化しています。

年表

1867年（明治元年）：[[菊間藩]]領となる。
1871年（明治4年）：木更津県の所属となる。
1873年（明治6年）：千葉県の所属となる。
1874年（明治7年）3月2日：海保小学校（森厳寺）が開校する。
1889年（明治22年）3月31日：町村制施行に伴い東海村の大字となる。
1889年（明治22年）12月：海保小学校が東海尋常小学校の海保分校となる。
1954年（昭和29年）11月3日：町村合併により五井町の大字となる。
1963年（昭和38年）5月1日：町合併により市原市の大字となる。
2018年（平成30年）5月27日：海保地区都市計画が策定される。
2019年（平成31年）4月26日：海保における物流センター等建設のための森林開発が認可。

世帯数と人口

海保の世帯数と人口は、時代とともに変動しています。江戸時代から明治時代にかけての記録では、18世紀末には家数が136、19世紀末には戸数が149、人口が800人前後であったことがわかります。20世紀後半には、世帯数が189、人口が965人となっています。

通学区域

海保の小中学校の通学区域は、市原市立の小学校と中学校、及び県立高等学校の通学区域に準じます。

施設

海保霊園
コストコホールセール市原物流センター
市原サービスエリア（館山自動車道上り線一部・下り線）

交通

鉄道

海保には駅がありません。最寄りの駅は姉ケ崎駅ですが、徒歩で30分以上かかります。

バス

字内を通過するバス路線があります。

道路

高速道路: 館山自動車道
国道: 特になし
県道: 千葉県道13号市原茂原線

参考文献

小沢治郎左衛門『上総国町村誌 第一編』1889年。
千葉県市原郡教育会『千葉県市原郡誌』千葉県市原郡、1916年。
『明治22年千葉県町村分合資料 七 市原郡町村分合取調』1889年。
鎗田功『海保地区の昔』市原ふるれんネット（ふるさと市原をつなぐ連絡会）、2020年。
鎗田功『旧市原郡東海村の今と昔』市原ふるれんネット（ふるさと市原をつなぐ連絡会）、2021年。

関連項目

海保 (曖昧さ回避)

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