渡辺渡 (陸軍軍人)

渡辺 渡（わたなべ わたる）

1896年（明治29年）12月26日、岡山県に生まれた渡辺渡は、1969年（昭和44年）12月7日にその生涯を閉じました。彼は大日本帝国陸軍の軍人であり、最終階級は陸軍少将にまで昇進しました。

軍歴

渡辺は、大阪陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1918年（大正7年）5月に陸軍士官学校（30期）を卒業しました。同年12月には歩兵少尉に任官し、歩兵第62連隊に配属されました。

1927年（昭和2年）12月、陸軍大学校（39期）を卒業後、歩兵第12連隊の中隊長に就任しました。その後、1929年（昭和4年）4月には参謀本部付勤務となり、参謀本部員、第2師団参謀、混成第24旅団参謀などの役職を歴任しました。また、支那駐在員として北京、張家口、九江にも駐在しました。1933年（昭和8年）8月には歩兵少佐に昇進しました。

1934年（昭和9年）3月、第9師団参謀に就任し、関東軍司令部付（ハルビン特務機関）に転じました。1937年（昭和12年）8月には歩兵中佐に進級しました。同年10月には北支那方面軍特務部付となり、北京特務機関長、済南特務機関長を歴任し、1939年（昭和14年）3月には歩兵大佐に昇進、興亜院華北連絡部政務局長に就任しました。

1940年（昭和15年）9月、参謀本部付として総力戦研究所員となりました。

太平洋戦争

1941年（昭和16年）11月、第25軍軍政部付に発令され、太平洋戦争に参加しました。マレー作戦、シンガポールの戦いにも従軍しています。

1942年（昭和17年）4月、第25軍参謀副長兼軍政部長に就任し、その後、同軍軍政監部総務部長兼参謀副長を経て、1943年（昭和18年）3月に陸軍少将に進み、陸軍歩兵学校付となりました。同年5月には企画院第1部長に就任。さらに軍需省総動員局監理部長を経て、1944年（昭和19年）11月には独立混成第2旅団長として張家口に駐屯しました。終戦時は北支那方面軍参謀副長を務め、その後、同方面軍渉外部長に就任しました。

1946年（昭和21年）8月に復員しました。

戦後

1948年（昭和23年）1月31日、公職追放仮指定を受けました。

栄典

1915年（大正4年）11月10日 - 大礼記念章を受章しました。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

スマトラ横断鉄道

外部リンク

* 渡邊渡とスマトラ横断鉄道

渡辺渡は、激動の時代を軍人として生きた人物であり、その足跡は日本の近代史において重要な一例と言えるでしょう。

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