湯檜曽駅

湯檜曽駅（ゆびそえき）

湯檜曽駅は、群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）上越線の駅です。上越国境の山々に抱かれ、ループ線とトンネルに挟まれたその独特な構造は、鉄道ファンのみならず多くの旅行者を魅了します。

歴史

湯檜曽駅は、1931年（昭和6年）9月1日に上越線が開通した際に開設されました。当初の駅は現在地よりも水上寄りに位置し、二つのトンネルの間に挟まれた場所にありました。これは、閉塞駅としての役割と、付近の勾配による制約が理由とされています。

その後、1949年（昭和24年）には、冬季のスキー客向けに大穴仮乗降場が現在の駅付近に設けられました。しかし、上越線の複線化工事に伴い、1963年（昭和38年）に廃止。

複線化工事の一環として、1963年（昭和38年）12月には現在地に新湯檜曽信号場が新設され、1967年（昭和42年）には新清水トンネルの開通に伴い、信号場が駅へと格上げされました。同時に、旧駅は北湯檜曽信号場となりましたが、1984年（昭和59年）に廃止されています。

駅舎は1967年（昭和42年）に竣工しましたが、老朽化のため2009年（平成21年）に解体。2010年（平成22年）に現在の簡素な駅舎に建て替えられました。

駅構造

現在の湯檜曽駅は、上下線でホームが分かれています。上りホームは、駅舎から階段を上った築堤上にあり、単式1面1線の構造です。ループ線を走行する上り列車からは、駅全体を見下ろすことができます。一方、下りホームは新清水トンネル内にあり、単式1面1線の地下ホームとなっています。駅舎とは地下通路で繋がっており、階段はありません。

水上駅が管理する無人駅で、自動券売機などの設備はありません。

かつての駅舎

旧駅舎は、スキー場のロッジを思わせるデザインで、高い天井にシャンデリア風の照明が吊るされた広々としたコンコースが特徴でした。コインロッカーや出札窓口、手小荷物窓口、待合室なども備えていましたが、無人化後は閉鎖されていました。

のりば

上り線と下り線でホームが分かれており、案内上ののりば番号はありません。

旧駅（北湯檜曽信号場）

単線時代に使用されていた旧駅は、島式ホーム1面2線の構造でした。複線化後は信号場となり、上り列車同士の待避・追い抜きが可能でした。駅舎は急斜面の中腹に位置し、駅前広場からは長い階段を通ってホームへとアクセスする構造でした。短期間ながら、ホームと駅舎の連絡にエレベーターが用いられていた時期もありました。

利用状況

近年は減少傾向にありますが、上越国境の山々を訪れる登山客や、周辺の温泉地を訪れる観光客に利用されています。

駅周辺

駅前には郵便局や企業の保養施設などがある程度で、ひっそりとしています。しかし、国道291号線を湯檜曽川に沿って北上すると、湯檜曽温泉の温泉街が広がっています。また、駅のすぐ隣には湯檜曽郵便局があり、徒歩圏内には足湯「ゆびその湯」もあります。

周辺施設

湯檜曽郵便局
湯檜曽温泉
与謝野鉄幹歌碑
大穴スキー場跡
国道291号

隣の駅

JR東日本
* 上越線：水上駅 - 湯檜曽駅 - 土合駅

湯檜曽駅は、その独特な構造と秘境感あふれる雰囲気が魅力の駅です。上越線を旅する際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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