土合駅

土合駅（どあいえき）

土合駅は、群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）上越線の駅です。その特異な構造から「日本一のモグラ駅」として知られ、多くの鉄道ファンや観光客を惹きつけています。

概要

群馬県内の普通鉄道駅としては最北端に位置し、高崎支社と新潟支社の境界付近にあります。上り線は地上駅ですが、下り線ホームは新清水トンネル内の地下深くにあり、駅舎から486段の階段を下りる必要があります。この高低差82m、長さ338mの階段を下るのに約10分かかることから、「日本一のモグラ駅」として親しまれています。

歴史

1931年（昭和6年）：信号場として開設。
1936年（昭和11年）：駅に昇格。
1967年（昭和42年）：新清水トンネル開通に伴い、下り線ホームが地下化。
1985年（昭和60年）：無人駅化。
2000年（平成12年）：「関東の駅百選」に認定。
2020年（令和2年）：駅舎内に喫茶「mogura」がオープン、グランピング施設「DOAI VILLAGE」が開業。

駅構造

土合駅は、上り線が地上駅、下り線が地下駅という珍しい構造をしています。普段は無人駅で、自動券売機はありません。下りホームへは、長い階段と連絡通路を通ってアクセスします。駅舎は山小屋風のデザインで、新清水トンネル掘削時に出た石英閃緑岩が使用されています。

下りホームへの道のり

下りホームへは、駅舎から462段の階段を下り、さらに連絡通路の24段の階段を下る必要があります。改札口から下りホームまでは徒歩約10分かかるため、かつて駅員がいた頃は、下り列車の改札は発車10分前に締め切られていました。階段の途中にはベンチが設置されています。

下りホーム

単式1面1線の構造で、かつては通過線と副本線がありましたが、2008年の工事でホームが本線に移設されました。ホーム有効長は6両分に短縮されています。待合室は旧ホーム側に設置されています。年間を通じて気温が15℃程度と一定であるため、2020年からはビールの熟成にも利用されています。

上りホーム

単式1面1線で、地上部にあります。かつては島式ホームでしたが、複線化の際に旧下りホームが待避線となり、後に撤去されました。ホームは駅舎に近い4両分のみ嵩上げされています。

利用状況

夏季や秋季には、谷川岳への登山客を中心に一定数の利用客があります。また、下り地下ホームを目当てに訪れる観光客も増えています。かつては多くのハイカーで賑わいましたが、上越新幹線や関越自動車道の開通により乗降客が減少しました。

駅周辺

谷川岳登山口: 徒歩約20分の場所に谷川岳ロープウェイの土合口駅があります。
その他: 白毛門、笠ヶ岳、高倉山などの山々、谷川岳山岳資料館、谷川岳天神平スキー場などがあります。

その他

菊池直恵の漫画『鉄子の旅』で取り上げられました。
横山秀夫の小説『クライマーズ・ハイ』、およびその映画版に登場しました。
* しろの漫画『ヤマノススメ』に登場しました。

土合駅は、その独特な構造と周辺の自然環境から、多くの人々に愛される駅です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してみてください。

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