藤原俊忠

藤原俊忠

藤原俊忠（ふじわら の としただ）は、平安時代後期の公卿、歌人として知られています。藤原北家御子左流の流れを汲み、大納言藤原忠家の次男として生まれました。最終的には従三位・権中納言にまで昇り、二条を号しました。

経歴

応徳3年（1086年）に侍従に叙爵されたのが、記録に残る最初の顕著な事績です。その後、嘉承元年（1106年）3月には蔵人頭左中将に任じられ、同年12月には参議に名を連ねました。永久2年（1114年）には従三位に昇叙。保安3年（1122年）には権中納言にまで昇進しました。

堀河天皇の時代には歌人としてその才能を発揮し、源俊頼や藤原基俊といった同時代の歌人たちと親交を深めました。長治元年（1104年）には、自邸にて「左近権中将俊忠朝臣家歌合」を主催し、彼らを招いて歌を詠み交わしました。彼の歌は家集『俊忠集』としてまとめられています。また、『金葉和歌集』（二度本）には3首が選ばれているのをはじめ、以降の勅撰和歌集に計29首が入集しています。

俊忠は清廉潔白な人物であったと伝えられています。参議の地位に16年間留まった後、権中納言に昇進する際にも、私的な働きかけは一切行わなかったと言われています。この点について、『古事談』では、懇願によって権中納言に昇進した源顕雅の例と比較し、「消息を書かざる人の卿相に昇る事は、俊忠卿より始まる」と、その清廉さを称えています。

系譜

父：藤原忠家
母：藤原経輔の女（または藤原敦家の女）
妻：藤原敦家の女

男子：藤原忠成（1091-1158）
男子：藤原忠定
男子：藤原公長 - 藤原通季の養子
男子：藤原俊成（1114-1204）- 歌人として著名
男子：藤原俊定 - 藤原知通の養子
男子：快修（1110-1172）
男子：禅智
男子：仁助
男子：寛豪
男子：尊忠
男子：晴忠
男子：頼俊
男子：頼仁
男子：禅寿
男子：仁証（1113-1189）
男子：寛叡
男子：俊海
男子：忠海
女子：藤原豪子 - 徳大寺公能室（実定母）
女子：藤原伊通室
女子：藤原師綱室
女子：藤原俊子 - 藤原顕長室（長方母）
女子：藤原光房室（経房、光長母）
女子：藤原忠子（または俊子） - 藤原顕頼室（光頼、惟方、成頼母）
女子：藤原知通室

外部リンク

* 左近権中将俊忠朝臣家歌合（日文研データベース）

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