源隆俊

源隆俊（みなもと の たかとし）

生涯

源隆俊は、平安時代中期から後期にかけて活躍した公卿です。醍醐源氏高明流に連なり、権大納言を務めた源隆国を父に持ちます。官位は正二位・権中納言にまで昇りました。

後一条天皇の時代である長元8年（1035年）に従五位下に叙せられ、官吏としてのキャリアをスタートさせました。長暦2年（1038年）には左兵衛佐に任官し、長暦4年（1040年）には従五位上・右近衛権少将に昇進。その後も、長久2年（1041年）に正五位下、長久4年（1043年）に従四位下、寛徳元年（1044年）に従四位上、寛徳2年（1045年）には左近衛権中将、永承元年（1046年）に右近衛権中将、永承4年（1049年）には正四位下へと、後朱雀天皇から後冷泉天皇の時代にかけて、着実に昇進を重ねました。

永承6年（1051年）には蔵人頭（頭中将）に任ぜられ、康平2年（1059年）には参議となり公卿の仲間入りを果たしました。参議就任と同時に近衛中将を辞し、康平4年（1061年）には右大弁を兼任し、修理権大夫も兼帯しました。康平8年（1065年）には、上﨟の参議であった藤原祐家、源顕房、藤原経季、源資綱らを抜き、正三位・権中納言に昇進しました。翌治暦2年（1066年）には、皇后宮権大夫に任ぜられ、後冷泉天皇の皇后である藤原寛子に、その没年まで約10年にわたって仕えました。後三条天皇の時代である延久3年（1071年）には、正二位に至りました。

承保2年（1075年）3月13日、源隆俊は出家し、その生涯を閉じました。享年51歳。最終官位は権中納言正二位兼太皇太后宮大夫でした。没後、太皇太后宮大夫の職は、父である源隆国が引き継ぎました。

官歴

『公卿補任』に基づいた、源隆俊の官歴は以下の通りです。

長元8年（1035年）1月7日：従五位下（延喜御後）
長暦2年（1038年）1月29日：紀伊権守。6月：左兵衛佐
長暦4年（1040年）1月5日：従五位上（佐）。1月25日：右近衛権少将、権守如元
長久2年（1041年）1月5日：正五位下（祐子内親王御給）。1月23日：近江権介
長久3年（1042年）1月14日：五位蔵人
長久4年（1043年）1月6日：従四位下（少将）。1月9日：昇殿
寛徳元年（1044年）12月16日：従四位上（上東門院御給）
寛徳2年（1045年）1月16日：止昇殿、聴東宮殿上。3月26日：昇殿。10月23日：左近衛権中将
永承元年（1046年）4月14日：右近衛権中将
永承3年（1048年）1月28日：兼近江介
永承4年（1049年）2月5日：正四位下（上東門院御給）
永承6年（1051年）11月5日：蔵人頭
永承7年（1052年）2月16日：兼修理権大夫、止近江介
天喜元年（1053年）1月27日：兼伊予介
天喜4年（1056年）2月3日：周防権介
天喜5年（1057年）2月30日：周防権守
康平2年（1059年）2月13日：参議、権大夫権守如元
康平4年（1061年）1月6日：従三位（造宮追賞）。2月28日：兼備前権守。12月8日：兼右大弁
康平5年（1062年）1月30日：兼近江権守
康平8年（1065年）1月5日：正三位（大弁労）。12月8日：権中納言
治暦2年（1066年）12月8日：皇后宮権大夫（皇后・藤原寛子）
治暦3年（1067年）2月6日：兼治部卿。10月5日：従二位（行幸平等院賞）
治暦4年（1068年）4月17日：中宮権大夫（中宮・藤原寛子）
延久元年（1069年）7月3日：皇太后宮権大夫（皇太后・藤原寛子）
延久3年（1071年）8月28日：正二位（天皇自四条宮入御新造内裏、大夫賞）
延久5年（1073年）7月21日：皇太后宮大夫（皇太后・藤原寛子）
承保元年（1074年）6月20日：太皇太后宮大夫（太皇太后・藤原寛子）
承保2年（1075年）3月13日：出家、薨去（権中納言正二位兼太皇太后宮大夫）

系譜

父：源隆国
母：源経頼娘

生母不明の子女

男子：源俊実（1046-1119）
女子：源隆子（1044-1089） - 源顕房正室

参考文献

『公卿補任 第一篇』吉川弘文館、1982年
『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年
* 市川久編『近衛府補任 第一』続群書類従完成会、1992年

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