無線呼出局

無線呼出局とは

無線呼出局は、無線局の一種であり、電波法に基づき総務省令で定義されています。具体的には、「無線呼出業務を行う陸上に開設する無線局」とされ、ここでいう「陸上」には河川や湖沼などの水域も含まれます。

無線呼出業務

無線呼出業務は、携帯受信設備（いわゆるポケベル）の携帯者に対して、呼出しを行う無線通信業務です。この呼出しには、付随する通報も含まれます。つまり、無線呼出局は、携帯受信機に対して一方的に情報を送信する役割を担っています。

概要

無線呼出局は、無線呼出し、すなわちポケベルなどの携帯受信機器に対して、一方的な送信（呼出し）を行う無線局です。技術的には基地局に分類されますが、電波法令上は独立した無線局として扱われます。

免許

無線呼出局の免許は、原則として外国籍の者には与えられません。しかし、例外的に、自動車などの移動体に開設する無線局や、それらの無線局と通信するための固定局は、外国人や外国の会社・団体でも開設できます。

種別コードはRP、免許の有効期間は5年です。ただし、最初の免許については、有効期限が5年以内の5月31日となります。

無線局の目的は、電気通信事業者の場合は「電気通信業務用」、その他の事業者の場合は「一般業務用」です。通信事項も同様に、電気通信事業者の場合は「電気通信業務に関する事項」、その他の事業者の場合は「一般業務用通信に関する事項」となります。

用途

無線呼出局は、主に電気通信事業者によって利用されてきました。これは、ポケベルが事業化された当初、公衆通信業務用として新設された種別であったためです。

しかし、21世紀初頭には、携帯電話の普及に伴いポケベルの需要が減退し、多くの事業者が撤退しました。その後、東京テレメッセージが防災行政無線システムを開発したことで、局数が再び増加傾向にあります。その他、鉄道事業者やサービス業者など、業務上で呼出しを要する事業者も利用しています。

周波数

電気通信業務用には、250MHz帯が無線呼出用に割り当てられています。その他の業務には、26MHz帯の専用波や、他業務と共用の60MHz帯、150MHz帯、400MHz帯が使用されています。

また、電気通信事業者は、FM放送に重畳して無線呼出業務を行うことも可能です。

通信の相手方

無線呼出局の通信相手は、免許を受けた事業者に所属する携帯受信設備です。

旧技術基準の機器の使用

無線設備の技術基準改正により、旧技術基準に基づく無線設備は、新規免許が2017年11月30日まで、使用期限が2022年11月30日までとされていました。しかし、コロナ禍の影響で使用期限は「当分の間」延期されています。ただし、検定合格機器は、設置が継続される限り使用可能です。

運用

無線呼出局の運用は、無線局運用規則に従います。

操作

無線呼出局は、第三級陸上特殊無線技士以上の無線従事者による管理が必要です。電気通信事業用の場合、空中線電力が大きい場合は、第一級陸上特殊無線技士以上の資格が必要となります。

検査

無線呼出局は、落成検査、定期検査、変更検査を受ける必要があります。これらの検査は、登録検査等事業者等による点検で一部省略が可能です。定期検査は、空中線電力が1Wを超える場合に、1年周期で実施されます。

沿革

無線呼出局は、1968年に信号報知局として誕生しました。当初は、単に音響を発するだけの信号を送信するものでした。

1985年に無線呼出局と改称され、同時に業務内容も変更され、付随する情報も送信できるようになりました。

1995年には、現行の定義となり、FM放送に多重して無線呼出しができるようになりました。

電波利用料

無線呼出局には、電波利用料が課せられます。

その他

かつては、構内ページング用の無線局や、特定小電力無線局にも無線呼出用のものがありました。

関連項目

無線呼び出し
無線局
基地局
無線呼出用特定小電力無線局

外部リンク

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