無量光寺 (相模原市)

無量光寺の紹介

無量光寺（むりょうこうじ）は、神奈川県相模原市南区当麻に位置する仏教寺院であり、時宗の歴史的な大本山にあたります。この寺院は、当麻山という山号で親しまれ、院号は金光院、道場号は当麻道場と呼ばれています。この地区の住民は、多くの場合、山号で親しんで呼んでいるようです。無量光寺は、時宗当麻派の本寺としても知られています。

歴史的背景

無量光寺の創立は、弘長元年（1261年）にさかのぼります。この年、一遍によって草庵が建てられ、その後、彼の高弟である他阿真教が1303年に念仏道場を開くことで、寺院としての活動が始まったとされています。また、『遊行上人縁起絵』には、当寺における歳末の念仏行事の様子が描かれています。

1319年には、真教が亡くなり、無量光寺は初期時宗教団の聖地として多くの参詣者を引きつけました。真教の後を継いだ他阿智得が亡くなると、有阿恵永が清浄光院を再興し、清浄光寺としての道を歩むことになりました。このことにより、時宗の主流派となる遊行派が形成されることとなりました。

戦国時代とその後

元弘3年（1333年）、真光が亡くなると、その直後に鎌倉幕府も滅亡し、無量光寺は一時的に衰退しました。しかし、戦国時代には、無量光寺が後北条氏の保護を受けていたため、南関東における勢力を確保しました。しかし、1590年に後北条氏が滅亡すると、連続する火災により再び衰退に見舞われることとなりました。

当麻派と時宗

時宗十二派の一つである当麻派は、無量光寺の法流に由来しています。しかし、近世の史料では、当麻派も「遊行派」と称されることがありました。当寺には相模、武蔵、下総に末寺が存在し、千葉氏や後北条氏からも多くの帰依がありました。無量光寺文書は、後北条氏との密接な関係を示す貴重な資料となっています。歴代の当麻上人は、真教以来「他阿」の名前を受け継いでおり、寺院の正統性を維持しています。

近世の影響

無量光寺は、中世から近世にかけて浄土宗の影響を受け、法式や人脈もその宗派に依存していました。多くの当麻上人が浄土宗の寺院から入るようになり、過去の歴代の中には浄土宗の戒名を持つ者も存在しました。さらに、幕府の命により、いくつかの末寺は浄土宗に転宗することとなりました。

現在の状況

明治期には遊行派との差別化を試みるも、時宗の教義を受け入れ続けることとなります。その後、無量光寺は時宗の大本山に指定され、表向きの地位を持つこととなります。大正7年（1918年）には山崎弁栄が住職に就任し、彼の徒弟の育成を目的とした学校も設けられました。これが後の光明学園相模原高等学校の基盤となります。

文化財と境内

無量光寺の境内やその周辺には多くの文化財が存在します。一遍智真立像などの秘仏は市の有形文化財として指定されており、一般に公開される特定の日が設けられています。また、境内は「かながわの景勝50選」にも選定されています。境内の主要な構成要素には、仮本堂、歴代の墓塔、熊野権現社、御髪塚などがあります。

祭りとアクセス情報

無量光寺では、4月8日の花祭りや10月23日の開山忌といった祭りが行われています。また、訪れる際は、相模線の原当麻駅から徒歩約15分の位置にあり、バスも利用することができるため、地域に根ざした信仰の場として親しまれています。

これからも無量光寺は、仏教の教えを広める場として、また地域文化の一端を担う存在として、大切にされ続けることでしょう。

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