燃える雲

燃える雲（もえるくも）

1967年5月3日に日本で劇場公開されたアクション映画。製作および配給は日活が手掛けた。原作は福本和也の小説『航空検察官』。監督は野村孝が務め、主演には渡哲也が起用された。

作品概要

本作は、航空機の安全や法に関わる事件を捜査する航空検察官を主人公に、国際的な犯罪組織の暗躍を描くサスペンスフルなアクション作品である。当時の日活が得意とした、海外を舞台にしたスケールの大きな犯罪劇の要素を持つ。元凄腕のパイロットが、その知識と経験を活かして事件に立ち向かう姿が描かれる。

あらすじ

主人公・朝日奈隆は、かつてジェット機の操縦において並外れた腕前を持つパイロットであった。彼の能力を見込んだ宗方一郎の紹介により、隆は航空検察官としての新たな道を歩み始める。航空の世界に精通した彼は、その専門知識を買われ、ある重大な事件の捜査を担当することになる。

隆が追う事件は、香港や南ベトナムといったアジアの都市を拠点に活動する国際的な犯罪組織が関与する、組織的な踊り子人身売買事件であった。この悪質な犯罪ネットワークは、多くの女性を犠牲にして利益を得ており、その実態は闇に包まれていた。航空検察官として、隆は航空機や空港といった舞台を中心に捜査を進めるが、組織の巧妙な手口と妨害工作に直面する。元パイロットとしての経験や直感を頼りに、危険を顧みず事件の核心に迫っていく隆。彼は、人身売買の犠牲者たちを救い出し、犯罪組織を壊滅させるため、国際的な陰謀の渦中に身を投じることになる。果たして、隆は組織の企みを暴き、事件を解決に導くことができるのか。

キャスト

物語を彩る個性豊かなキャスト陣には、当時の日活を代表する俳優たちが多数名を連ねている。主演の渡哲也をはじめ、高橋英樹、宍戸錠、二谷英明といったアクション映画で存在感を示す面々が出演している。

朝日奈隆：渡哲也
貝塚文男：高橋英樹
黒田健：宍戸錠
宗方一郎：二谷英明
守山冴子：十朱幸代
立花：深江章喜
久保：黒木佑
八代マチ子：浜川智子（浜かおる）
林泰三：大滝秀治
江見京子：斉藤チヤ子
増沢：郷鍈治
秋山：庄司永建
金宗守：榎木兵衛
チェリー95便の機関士：柳瀬志郎
チェリー95便の副操縦士：長弘
チェリー航空幹部：河野弘
現場監督：宮原徳平
チェリー航空幹部：雪丘恵介
チェリー95便の乗客：鏑木はるな
管制官：小柴隆（小柴尋詩）
ヤン・ミン：村井健二
チェリー203便の機関士：平塚仁郎
工事現場の食堂の作業員：熱海弘到
クラブ「フェニックス」のバーテン：吉田武史（沖田駿一）
電波監理局担当者：久遠利三
福田の妻：谷川玲子
チェリー203便のスチュワーデス：大谷木洋子
島みどり：中庸子
チェリー95便のスチュワーデス：西原泰江
工事現場の食堂の従業員：萩道子
張志景：内田良平
チェリー航空95便の機長：葉山良二
福田：池部良

スタッフ

本作の製作に携わった主なスタッフは以下の通り。

監督：野村孝
原作：福本和也
脚本：藤井鷹史、蘇武道夫、小川英
企画：園田郁毅
音楽：伊部晴美
航空撮影：長谷部安春、森勝
航空指導：中馬穣
擬斗：高瀬将敏

同時上映

本作と同時に上映されたのは『嵐来たり去る』である。

関連情報

本作に関する詳細情報は、日活の公式サイト内にある作品ページでも確認できる。

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