物集女氏

物集女氏の歴史的背景

物集女氏（もずめし）は、日本の武家及び商家として、主に山城国乙訓郡の物集女荘を本拠地としていました。京都府向日市に位置しており、西岡国人の一族の中でも代表格とされていました。彼らの存在は地域の政治や経済に多大な影響を与え、その歴史には数多くの重要な出来事が含まれています。

西岡国人との関わり

物集女氏は、特に向日神社での集会や蜂起の場に名前が刻まれており、源太郎左衛門入道道集と三郎左衛門尉光清がその代表者として知られています。光清は後の物集女光重と通字が同じであることから、彼らが物集女氏の起源であることが分かります。

文明年間（1469年〜1487年）には、物集女筑前守善継が薬師如来像に対する強い信仰を持ち、祈願所を設けました。また、薬師寺元一の反乱にあたる際には「物集女父子」が元一の側に立って反乱に加わるなど、時には武力をもって関与していました。

長享元年（1487年）には、物集女氏の四郎右衛門尉光重が小野氏や鶏冠井氏、竹田氏、神足氏、平氏の6名と共に、上久世荘の荘官寒川家光に宛てて書状を送っています。この文書は、政元方との交渉や、礼銭の支払いを円滑にするためのものであったと考えられます。

政元との関係

明応4年（1495年）から7年（1498年）にかけての文書には、細川政元の家臣であった薬師寺元長のもとで、物集女光重の名前が確認されます。光重はその時点で政元の被官であり、物集女氏は政元の勢力の一部として活動を続けました。

永正元年（1504年）には、永正の錯乱で政元が亡くなった後、物集女氏や他の西岡国人たちは細川晴元の側に付き、彼と対立する三好元長に味方しました。彼らはこの時期に、永正寺の創建も手がけており、地域の発展に寄与しました。

力を持つ物集女氏

大永8年（1528年）においても、物集女氏は神足氏や高橋氏と共に柳本賢治の側に立って堺に滞在していました。天文元年（1532年）では、一向一揆と法華一揆が山崎で衝突した際には、晴元配下の軍と共に戦ったとされています。

さらに、天文15年（1546年）頃からは物集女慶照が細川国慶や細川氏綱に仕え、その活躍が文献に記されています。天文24年（1555年）には、物集女氏内での内紛が発生し、三好氏に仲裁を求める事態になったことも示されています。

最後の日々

永禄4年（1561年）、足利義輝が三好長慶の屋敷に招かれた際には、物集女久勝が楽屋奉行を担当しており、一族の名は今も生き続けていました。しかし、天正3年（1575年）9月には物集女入道宗入（忠重）が暗殺され、物集女氏は滅亡の道を辿ることとなります。さらに、物集女筑前守善次の孫である清忠が水野氏の家中に仕官するなど、その後の影響も見られます。

物集女氏の歴史は、地域社会の中でどのように武士たちが権力を構築し、また、時代の波に翻弄されていったのかを映し出す重要な一章であると言えるでしょう。

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