玉崎神社

玉崎神社

概要

玉崎神社（たまさきじんじゃ）は、千葉県旭市飯岡に位置する神社です。古くは下総国二宮（論社）とされ、旧社格は郷社でした。主祭神は玉依姫尊で、日本武尊を配祀しています。

歴史

社伝によれば、景行天皇40年に創建されたとされています。日本武尊が東征の際、海難に遭いそうになった時、弟橘媛が海に入水したことで無事に上総国へ渡ることができました。その後、日本武尊は玉の浦（九十九里浜）に到着し、海神の娘である玉依姫尊を祀ったと伝えられています。この場所は後に「竜王岬」と呼ばれるようになりました。

玉崎神社は、神道集において「玉崎大明神者、此国二宮」と記され、下総国二宮とする説もあります。また、永禄期には上総国一宮である玉前神社が戦火を避けて神体を一時的に移したという伝承も残っています。

中世には、三崎庄横根郷玉ヶ崎大明神、玉の浦総社玉ヶ崎大明神などと称され、武士からの崇敬が厚く、平貞盛、源頼義、源義家、源頼朝、日野俊基、千葉常胤などが参拝し、祈願や社殿の造営に貢献しました。江戸時代には、武士だけでなく、平田篤胤、平田鐵胤、斉藤彦麿、高田与清、大国隆正といった文人たちも参詣に訪れています。

享保14年（1729年）には、地頭らが祈願したところ、大漁に恵まれたことから、時の神祇官領卜部朝臣兼雄に神階正一位を賜りました。拝殿内の扁額は、当時の将軍である徳川吉宗の筆によるものとされています。

明治時代に入り、神社名を「玉崎神社」と改称し、明治19年（1886年）に郷社に列せられました。その後、明治39年（1906年）には千葉県から幣帛供進神社に指定されました。本殿は昭和48年（1973年）に、拝殿は平成17年（2005年）に、それぞれ千葉県の有形文化財に指定されています。また、社宝である古瀬戸狛犬一対も平成3年（1991年）に県の有形文化財に指定されました。

文化財

玉崎神社の本殿は、元禄年間（1688年～1704年）に建てられた一間社流造で、見事な彫刻が施されています。拝殿は天保年間（1830年～1844年）の造営と伝えられています。これらの建造物と古瀬戸狛犬は、いずれも千葉県指定の有形文化財です。

交通

• - JR東日本総武本線 旭駅より、バス双葉町行きで「玉崎神社」下車徒歩1分
• - 飯岡駅よりタクシー利用

参考文献

• - 『全国神社名鑑 上巻』全国神社名鑑刊行会史学センター、昭和52年。
• - 『千葉県の地名（日本歴史地名大系 12）』平凡社、1996年。ISBN 978-4-582-49012-1

外部リンク

• - 玉﨑神社
• - 下総国二之宮 - 玉崎神社

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