玉龍寺

玉龍寺（ぎょくりゅうじ）

玉龍寺は、岐阜県下呂市金山町中切に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。本尊は釈迦如来で、山号を要仲山と称します。この寺は、益田西国三十三霊場の1番札所としても知られ、多くの参拝者が訪れます。

境内の特徴

境内には、数多くのモミジやドウダンツツジが植えられており、特に秋には見事な紅葉が広がります。そのため、「もみじ寺」という別名でも親しまれており、紅葉シーズンには多くの観光客で賑わいます。

歴史

玉龍寺の起源は古く、伝説によれば、行基が諸国を巡錫中にこの地に薬師如来を奉安し、醫王山東光寺として開いたとされています。その後、正治年間に、鎌倉鷹野にあった慈覚大師作の観音像が鷹によって寺に運ばれてくるという奇瑞があり、この際に寺号を観宝山金剛寺と改称しました。現在でも、鷹に乗った観音像は、観宝院という堂に安置され、「鷹飛来観音」として信仰を集めています。

室町時代には、景堂玄訥が玉龍寺の住持となり、臨済宗妙心寺派の寺院へと改められました。天正14年（1586年）には、住持の瑞岩元栄が飛騨国主となった金森長近に寺の再興を訴え、寺領を与えられました。金森長近の没後、その法名に因んで要仲山玉龍寺と改められました。

宝暦9年（1759年）には火災により焼失しましたが、宝暦11年（1761年）に現在の伽藍が再建されました。

寺内の史跡と人物

寺内には、飛騨高山藩主三代の遺骨が分骨され、墓が設けられています。また、江戸時代初期に徳川家康に清洲越しを提言した尾張藩士山下氏勝の子、山下氏政が道安と号してこの地に隠棲しました。山下氏政は、飛騨高山藩主金森氏が街道往来の際に利用した下原旅館（下原陣屋）の館主であったことから、玉龍寺にも関連の品が残されています。さらに、下原郷16ヶ村の大名主であり、飛騨五大老の一人に数えられた加藤三郎右衛門の次男で、万延元年遣米使節の随行員として飛騨出身者として初めて世界一周を果たした加藤素毛の墓もあります。

文化財

玉龍寺には、数多くの文化財が所蔵されており、その一部は岐阜県や下呂市によって指定されています。

岐阜県指定文化財
木造釈迦如来坐像
下呂市指定文化財
龍杖図
山下道安居士自画自賛画像
旭日富士山之繪
太公望の図
来迎釈迦如来木造
白隠禅師掛軸
飛騨高山藩主金森家三代の墓
加藤素毛の墓
山下道安の墓
玉龍寺の左巻きのカヤ（天然記念物）

アクセス

JR高山本線飛騨金山駅から徒歩15分。

参考文献

岐阜県益田郡役所 編 『岐阜県益田郡誌』p475 益田郡役所 大正5年
金山町誌編纂委員会 『金山町誌』 下呂市、1975年、2005年復刻

関連項目

* 下原八幡神社

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