王祥

王祥の生涯

王祥（おう しょう、185年 - 269年）は、中国後漢末期から西晋時代にかけての著名な人物であり、親孝行として広く知られています。彼の字は休徴で、現在の山東省臨沂市蘭山区にあたる徐州琅邪郡臨沂県の出身です。王祥は王吉の子孫であり、琅邪王氏に属しています。

幼少期と家族背景

幼い頃に実母を失った王祥は、継母の朱氏から冷遇されました。朱氏は王祥を邪魔だと考え、父親の王融に対して彼の悪口を言ってしまいました。それにも関わらず、王祥は心からの奉公の精神を持ち続けました。継母が彼に牛小屋を掃除させると、王祥は恭しく彼女に仕え続けました。

また、王祥は両親が病に倒れると、看病を怠らず、常に自らが薬を飲んでその毒味を確認しました。ある寒い日には、継母のために川で魚を捕まえようと氷を割る際、奇跡的に魚が自ら跳ね出てくることもありました。彼の孝行は周囲の人々に感銘を与え、彼の名声を高めました。

忍耐と苦難

王祥はまた継母の命令に従い、林檎の木を大切に育てました。暴風雨が訪れるたびに、彼はその木を抱きしめ泣いて守りました。後に、継母が毒を盛ろうとした際、異母弟の王覧が王祥をかばって危険を未然に防いだこともありました。彼の赦しの心は強く、最終的には家族を守るだけでなく、自身の信念をも貫き通しました。

政治への道

後漢末の混乱を経た王祥は、王叡が殺されるとともに家族で廬江に避難し3年間政治から遠ざかりました。しかし、呂虔に招聘された際、最後は受け入れ、徐州の統治を託されました。王祥は盗賊を討伐し、地域の安定化に大きく寄与しました。その功績が評価され、徐州の人々から感謝されました。

年月が経つ中で、彼は多くの役職を歴任し、最終的には大司農や関内侯、光禄勲の職を得ます。魏や晋の薬剤をスカウトし、様々な戦争にも従軍しました。特に甘露の変において、彼は曹髦の悲劇を深く受け止め、体を震わせて号泣しました。

晩年と遺言

王祥は政治的な姿勢を一貫して保ち、老齢に至ってもなお政務に尽力しました。彼は地位を維持し、多くの体制改革に参加しました。泰始5年（269年）には85歳で亡くなり、生前に子孫に対して信・徳・孝・忠・悌を重んじるよう遺訓を残しました。彼が譲り受けた剣は後に異母弟の子孫の運命を左右することとなります。

王祥の葬儀には多くの親族や旧友が集まり、彼の清らかな生きざまはその後も語り継がれました。王祥は武帝から元公の称号を贈られ、彼の名誉は後世にまで続くこととなります。

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