甘泉園公園

甘泉園公園について

甘泉園公園は、東京都新宿区西早稲田にある新宿区立の公園です。ここは、新宿区内で唯一の回遊式庭園として知られています。かつては徳川御三卿の一つ、清水家の下屋敷があった場所で、その一部には現在の水稲荷神社や甘泉園住宅、パストラルハイム面影橋も含まれていました。

公園の名前の由来は、良質な湧水が茶の湯に使われていたことから「甘泉」と名付けられました。園内には、名前の由来となった泉の他に、もう一つ泉があり、かつては豊富な水量を誇り、小さな滝となってひょうたん型の池に流れ込んでいました。池の周りには、シイやマツ、モミジなどの古木が茂り、起伏に富んだ地形が特徴です。

また、園内には塙保己一が由来を記した「甘泉銘並序」の石碑が残っています。この石碑は、文化8年（1811年）に建てられたもので、現在は水稲荷神社境内にあります。

太田道灌の伝説

甘泉園公園は、太田道灌の山吹伝説の地としても有名です。かつて園内には「太田道灌駒繋松」があり、道灌が馬を繋ぎ、蓑を借りに民家を訪れた際に「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」と詠んだと伝えられています。ただし、松の木の伝説は後年に作られたという説もあります。

歴史

この地はもともと芸州藩の下屋敷でしたが、1770年頃に清水家の下屋敷となりました。その後、1901年に横浜正金銀行頭取の相馬永胤が清水家から土地を購入し、邸宅と庭園を新築しました。相馬の死後、1938年に早稲田大学がこの地を買収し、学生の憩いの場として利用しました。第二次世界大戦中の空襲では被害を免れましたが、その後、東京都が公園化を計画し、1969年に都民公園として一般開放されました。

現在の甘泉園公園

現在は、泉は枯れてしまっていますが、大名屋敷の回遊式庭園の面影を残す日本庭園が主体となっています。冬には雪吊りされた樹木を見ることができ、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。都会の中の静かなオアシスとして、多くの人々に親しまれています。

アクセス

• - 東京メトロ東西線 早稲田駅 徒歩7分
• - 都電荒川線 面影橋停留場 徒歩5分
• - 都営バス 甘泉園公園前停留所 徒歩1分
• - 西早稲田停留所 徒歩3分

その他

• - 開園時間: 午前7時から午後7時まで（11月から2月は午後5時まで）
• - 駐車場: なし
• - 入園料: 無料

隣接施設

• - 水稲荷神社（戸塚稲荷神社）
• - 甘泉園住宅

甘泉園公園は、歴史と自然が調和した美しい公園です。都会の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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