田辺難波

田辺難波について

田辺難波（たなべ の なにわ、生没年不詳）は、奈良時代の貴族として知られる人物です。彼は田辺史の姓を持ち、後に上毛野君へと改姓しました。難波は主に蝦夷討伐や新道の開鑿に関わり、数多くの官位を歴任しました。彼の経歴には、従五位上や中衛員外少将といった重要な官位が含まれます。

経歴の概略

蝦夷討伐

神亀元年（724年）3月、陸奥で蝦夷が反乱を起こし、壊滅的な被害を及ぼしました。これに対抗するため、朝廷は藤原宇合を大将軍に任命し、難波もその遠征軍の一員として参加しました。この遠征は、874名の兵士を動員し、彼らは義務を遂行したことで勲位を授与され、難波は同年の春に勲六等と田二町を賜りました。

新道の開鑿

その後、天平9年（737年）には大野東人の提案を受け、男勝村を経由し陸奥国から出羽柵への直通路開鑿が命じられました。難波はこのプロジェクトにも関与し、出羽守として参加しました。軍と共に進軍する中で、彼は楯となる地を確保し、人々を安定させるための方策を講じました。難波の提案は、武力に頼るのではなく、相手を理解し協力関係を築くことが国の安定につながると認識された点が評価されました。

後の経歴

天平11年（739年）には外従五位下に叙され、その後、天平16年（744年）には内位の従五位下に昇進しました。孝謙天皇の治世には中衛員外少将という重要な地位にあり、天平勝宝2年（750年）には姓を田辺史から上毛野君に改めています。また、740年代の終わり頃には従五位上に達するなど、その出世街道は順調でした。

官歴

難波の業績やその官歴は、奈良時代の政治状況や軍事行動を通じて、彼の存在がどれほど重要であったかを示しています。彼の生涯を通じて、蝦夷との関係や国土の整備に貢献した功績は、後の時代にも影響を与えました。

参考文献

• - 『続日本紀 2（新日本古典文学大系13）』岩波書店、1990年
• - 『続日本紀 3（新日本古典文学大系14）』岩波書店、1992年
• - 宇治谷孟『続日本紀』（上中巻）、講談社〈講談社学術文庫〉、1992年
• - 竹内理三・山田英雄・平野邦雄編『日本古代人名辞典 4』吉川弘文館、1959年

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