田野倉雅秋
東京都で生まれたヴァイオリニスト、田野倉雅秋（1976年9月11日 - ）は、幼い頃からその才能を開花させ、日本のクラシック音楽界において確固たる地位を築き上げています。
4歳でヴァイオリンを手にし、スズキ・メソードで基礎を学びました。品川区の小中学校で過ごす間に、全日本学生音楽コンクールにおいて顕著な成績を収めます。1988年には小学生の部で奨励賞、そして1991年には中学生の部で第1位に輝き、早くからその実力が認められました。この頃から、ながのアスペン音楽祭など、音楽祭への参加も始まります。
高校時代には、東京芸術大学付属音楽高校に進学。引き続きアスペン音楽祭に参加するほか、モスクワ・コンセルバトリア・マスターコースなど、海外の指導者からも学びを深めました。特に第5回京都フランス音楽アカデミーでは、レジス・パスキエの薫陶を受けました。1994年には第4回ABC新人コンサート・オーディションに合格し、翌年のABCフレッシュコンサートでは、ザ・シンフォニーホールにおいて外山雄三指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。ヴュータンのヴァイオリン協奏曲第5番を演奏し、その模様はテレビでも放映されました。
1995年に東京芸術大学に入学後もその活躍は続き、第64回日本音楽コンクールで第2位を獲得します。翌1996年には、フランスで開催されたロン＝ティボー国際コンクールに参加し、パリでのリサイタルも成功させました。1997年には、さらなる高みを目指し、ジュリアード音楽院への留学を決意。ドロシー・ディレイ、チョーリャン・リン、川崎雅夫といった名高いヴァイオリニストたちに師事し、深い音楽性を培いました。同年には再びアスペン音楽祭に参加。翌1998年にはアスペン・コンチェルトコンクールで優勝し、ラン・シュイ指揮の下、バルトーク作曲ヴァイオリン協奏曲第2番を演奏するなど、留学中も精力的に活動しました。
2000年度には文化庁派遣芸術家在外研修員として指定され、2002年5月にジュリアード音楽院を卒業し学士号を取得。留学期間中の2000年には、デンマークで開催された第6回カール・ニールセン国際音楽コンクールで第1位という輝かしい成績を収め、国際的な評価を確立しました。この優勝を機に、2002年2月にはオーデンセ市でヤン・ワーグナー指揮のオーデンセ交響楽団と共演し、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲のデンマーク初演という重要な演奏を担いました。
帰国後、その活動の中心の一つとなったのが、国内主要オーケストラのコンサートマスターとしてのポストです。2004年5月に広島交響楽団のコンサートマスターに就任。同年8月には国際音楽祭ヤング・プラハにソリストとして招かれ、チェコ国立劇場管弦楽団とブラームスのヴァイオリン協奏曲をプラハのルドルフィヌムで演奏しました。2006年にも広島交響楽団の定期演奏会でコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を演奏しています。客演コンサートマスターとしても、日本フィルハーモニー交響楽団や大阪フィルハーモニー交響楽団など、多くのオーケストラに出演しました。
室内楽にも積極的に取り組み、アペルト弦楽四重奏団を結成して活動。また、大阪フィルハーモニー交響楽団のメンバーと共にQuartet 雅を結成し、第一ヴァイオリンを務めました。
2012年4月には名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに就任し、広島交響楽団と兼任。同年にはウォルトンのヴァイオリン協奏曲を名古屋フィルと共演。同年9月には大阪フィルハーモニー交響楽団の特別客演コンサートマスターにも就任するなど、複数のポストを兼任する多忙な日々を送りました。2014年3月に広島交響楽団を退団後、同年4月には大阪フィルハーモニー交響楽団の首席コンサートマスターに就任。主要な定期演奏会でコンサートマスターを務めるだけでなく、ソリストとしても登場しました。
2019年7月に大阪フィル、名古屋フィルを退団。同年9月1日からは日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに就任しました。就任直後には、山田和樹指揮の下、作曲家自身が見守る中で間宮芳生作曲ヴァイオリン協奏曲を演奏し、大きな注目を集めました。また、コロナ禍における2020年6月には、サントリーホールでの無観客有料ライブ配信公演にて、エルガー作曲『愛のあいさつ』のソロを担当し、短期間で多数の視聴数を獲得するなど、新しい演奏形態にも対応しています。
2020年9月からは兵庫芸術文化センター管弦楽団のコンサートマスターも兼任。ソロ活動も活発で、2021年には東京文化会館小ホールでブラームスのヴァイオリン・ソナタ全3曲、ワキタ コルディアホールでバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲を演奏しました。ブラームス全曲演奏会のライブ録音はCD化され、音楽専門誌で高い評価を得ています。2021年5月には兵庫県立芸術文化センター小ホールでピアソラのブエノスアイレスの四季を弾き振りで演奏。琉球交響楽団の東京公演に客演コンサートマスターとして出演するなど、活動の幅を広げています。
2022年9月1日、日本フィルハーモニー交響楽団のソロ・コンサートマスターに就任。同月の定期演奏会では、再び山田和樹指揮の下、貴志康一作曲ヴァイオリン協奏曲をソリストとして演奏し、後半ではコンサートマスターを務めました。近年は韓国のKBS交響楽団に客演コンサートマスターとして招かれるなど、海外での活動も展開しています。
ヴァイオリニストとして、ソリスト、室内楽奏者、そして主要オーケストラのソロ・コンサートマスターという多角的な立場で、日本のクラシック音楽界を牽引し続けています。
4歳でヴァイオリンを手にし、スズキ・メソードで基礎を学びました。品川区の小中学校で過ごす間に、全日本学生音楽コンクールにおいて顕著な成績を収めます。1988年には小学生の部で奨励賞、そして1991年には中学生の部で第1位に輝き、早くからその実力が認められました。この頃から、ながのアスペン音楽祭など、音楽祭への参加も始まります。
高校時代には、東京芸術大学付属音楽高校に進学。引き続きアスペン音楽祭に参加するほか、モスクワ・コンセルバトリア・マスターコースなど、海外の指導者からも学びを深めました。特に第5回京都フランス音楽アカデミーでは、レジス・パスキエの薫陶を受けました。1994年には第4回ABC新人コンサート・オーディションに合格し、翌年のABCフレッシュコンサートでは、ザ・シンフォニーホールにおいて外山雄三指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団と共演。ヴュータンのヴァイオリン協奏曲第5番を演奏し、その模様はテレビでも放映されました。
1995年に東京芸術大学に入学後もその活躍は続き、第64回日本音楽コンクールで第2位を獲得します。翌1996年には、フランスで開催されたロン＝ティボー国際コンクールに参加し、パリでのリサイタルも成功させました。1997年には、さらなる高みを目指し、ジュリアード音楽院への留学を決意。ドロシー・ディレイ、チョーリャン・リン、川崎雅夫といった名高いヴァイオリニストたちに師事し、深い音楽性を培いました。同年には再びアスペン音楽祭に参加。翌1998年にはアスペン・コンチェルトコンクールで優勝し、ラン・シュイ指揮の下、バルトーク作曲ヴァイオリン協奏曲第2番を演奏するなど、留学中も精力的に活動しました。
2000年度には文化庁派遣芸術家在外研修員として指定され、2002年5月にジュリアード音楽院を卒業し学士号を取得。留学期間中の2000年には、デンマークで開催された第6回カール・ニールセン国際音楽コンクールで第1位という輝かしい成績を収め、国際的な評価を確立しました。この優勝を機に、2002年2月にはオーデンセ市でヤン・ワーグナー指揮のオーデンセ交響楽団と共演し、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲のデンマーク初演という重要な演奏を担いました。
帰国後、その活動の中心の一つとなったのが、国内主要オーケストラのコンサートマスターとしてのポストです。2004年5月に広島交響楽団のコンサートマスターに就任。同年8月には国際音楽祭ヤング・プラハにソリストとして招かれ、チェコ国立劇場管弦楽団とブラームスのヴァイオリン協奏曲をプラハのルドルフィヌムで演奏しました。2006年にも広島交響楽団の定期演奏会でコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲を演奏しています。客演コンサートマスターとしても、日本フィルハーモニー交響楽団や大阪フィルハーモニー交響楽団など、多くのオーケストラに出演しました。
室内楽にも積極的に取り組み、アペルト弦楽四重奏団を結成して活動。また、大阪フィルハーモニー交響楽団のメンバーと共にQuartet 雅を結成し、第一ヴァイオリンを務めました。
2012年4月には名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに就任し、広島交響楽団と兼任。同年にはウォルトンのヴァイオリン協奏曲を名古屋フィルと共演。同年9月には大阪フィルハーモニー交響楽団の特別客演コンサートマスターにも就任するなど、複数のポストを兼任する多忙な日々を送りました。2014年3月に広島交響楽団を退団後、同年4月には大阪フィルハーモニー交響楽団の首席コンサートマスターに就任。主要な定期演奏会でコンサートマスターを務めるだけでなく、ソリストとしても登場しました。
2019年7月に大阪フィル、名古屋フィルを退団。同年9月1日からは日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに就任しました。就任直後には、山田和樹指揮の下、作曲家自身が見守る中で間宮芳生作曲ヴァイオリン協奏曲を演奏し、大きな注目を集めました。また、コロナ禍における2020年6月には、サントリーホールでの無観客有料ライブ配信公演にて、エルガー作曲『愛のあいさつ』のソロを担当し、短期間で多数の視聴数を獲得するなど、新しい演奏形態にも対応しています。
2020年9月からは兵庫芸術文化センター管弦楽団のコンサートマスターも兼任。ソロ活動も活発で、2021年には東京文化会館小ホールでブラームスのヴァイオリン・ソナタ全3曲、ワキタ コルディアホールでバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲を演奏しました。ブラームス全曲演奏会のライブ録音はCD化され、音楽専門誌で高い評価を得ています。2021年5月には兵庫県立芸術文化センター小ホールでピアソラのブエノスアイレスの四季を弾き振りで演奏。琉球交響楽団の東京公演に客演コンサートマスターとして出演するなど、活動の幅を広げています。
2022年9月1日、日本フィルハーモニー交響楽団のソロ・コンサートマスターに就任。同月の定期演奏会では、再び山田和樹指揮の下、貴志康一作曲ヴァイオリン協奏曲をソリストとして演奏し、後半ではコンサートマスターを務めました。近年は韓国のKBS交響楽団に客演コンサートマスターとして招かれるなど、海外での活動も展開しています。
ヴァイオリニストとして、ソリスト、室内楽奏者、そして主要オーケストラのソロ・コンサートマスターという多角的な立場で、日本のクラシック音楽界を牽引し続けています。
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