男か女か

『男か女か』（The Masquerader）は、1914年にキーストン社が製作した短編サイレント映画です。映画史家ウノ・アスプランドが考案したチャップリンのフィルモグラフィーによれば、本作はチャップリンの24作目の出演作にあたります。

物語は、映画俳優チャーリーが様々な作品で騒動を起こし、ついにはスタジオを解雇されるところから始まります。彼はスタジオへの復帰を諦めきれず、大胆にも女装してカムバックを試みます。しかし、その目論見はディレクターに見破られ、再びスタジオから追い出されるという顛末です。

本作は、『多忙な一日』や『チャップリンの女装』と並び、チャップリンが女装を披露する貴重な3作品のうちの1つです。また、『チャップリンの活動狂』や『チャップリンの道具方』といった作品と同様に、撮影所の裏側で繰り広げられるドタバタ劇を描いた作品としても位置づけられます。

しかし、映画史家デイヴィッド・ロビンソンは、チャップリンの伝記の中で、本作を『チャップリンの画工』や『レクリエーション』などと並び、「ただ機械的に生産されたとしか思えない」作品の一つであると評しています。ロビンソンによれば、キーストン・スタジオの内部の様子を垣間見れる点と、チャップリンの2度目の女装姿が見られる点のみが、本作の価値を辛うじて保っていると分析しています。

キャスト

チャールズ・チャップリン - 映画俳優チャーリー
ロスコー・アーバックル - 映画俳優
チェスター・コンクリン - 映画俳優
チャールズ・マレイ - 映画監督
フリッツ・シェイド - 悪漢に転じる俳優
ミンタ・ダーフィ - 主演女優
セシル・アーノルド - 女優
ヴィヴィアン・エドワーズ - 女優
ハリー・マッコイ - 俳優
チャーリー・チェイス - 俳優


参考文献

デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴、高田恵子 訳、文藝春秋、1993年4月。ISBN 978-4-1634-7430-4。
大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年3月。ISBN 978-4-1408-1183-2。

外部リンク

The Masquerader - IMDb（英語）
Charlie Chaplin's "The Masquerader" - インターネット・アーカイブ（BGM有り。やや不鮮明）
* The Masquerader - YouTube - BGM有り

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