白鶴美術館:東洋古美術の宝庫
白鶴
美術館は、
兵庫県神戸市東灘区にあり、東洋古美術を専門とする
美術館です。
1934年の開館以来、数多くの美術愛好家や研究者を魅了し続けています。その歴史と魅力を深掘りしてみましょう。
創設と歴史
美術館の礎を築いたのは、
白鶴酒造創業家の7代目当主、嘉納治兵衛氏です。茶人としても知られた嘉納氏は、幼い頃から古美術への強い関心を抱いていました。奈良
興福寺の執事であった中村家出身で、古美術に携わる環境で育ったことが、その情熱を育んだと言えるでしょう。
明治時代後期から本格的に美術品の収集を始め、
1931年には財団法人白鶴
美術館を設立。そして、
1934年に現在の本館を開館させました。これは、第二次世界大戦以前から存在する数少ない
美術館の一つであり、日本の美術史において重要な位置を占めています。嘉納氏の情熱と先見の明が、今日の白鶴
美術館の礎を築いたと言えるでしょう。
充実したコレクション
白鶴
美術館の最大の魅力は、その充実したコレクションです。仏教美術、中国の
青銅器、
陶磁器、書跡など、多岐にわたる分野の作品が所蔵されています。
中でも注目すべきは、
国宝2件、
重要文化財22件を含む、実に1300点以上にも及ぶ貴重な作品の数々です。これらの多くは嘉納氏が収集したもので、その質と量は他に類を見ません。奈良の社寺から伝来した品々も多く含まれており、日本の美術史研究においても重要な資料となっています。
1995年には、開館60
周年を記念して新館「
絨毯美術館」が開設されました。こちらは10代目当主、嘉納秀郎氏の収集した
中近東の
絨毯を中心に、アフリカの仮面や彫刻なども展示されています。本館と新館を合わせて、より多角的な視点から東洋古美術の魅力に触れることができます。
文化交流の拠点
白鶴
美術館は、単なる展示施設にとどまりません。古代中国研究の第一人者である
白川静氏が長年講話を開催するなど、文化交流の拠点としての役割も担ってきました。
また、
日本博物館協会会員館、
兵庫県博物館協会加盟館、
兵庫県教育委員会登録博物館としての役割も果たしており、地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいます。
アクセスと周辺情報
白鶴
美術館は、阪急御影駅、JR・神戸新交通住吉駅から徒歩圏内に位置しています。
周辺には香雪
美術館、
世良[[美術館]]、豊雲記念館などの文化施設や、谷崎潤一郎旧居である倚松庵、
弓弦羽神社、徳本寺などの史跡も点在しています。
美術館を訪れた際には、これらの施設も合わせて巡ることで、より充実した文化体験となるでしょう。
まとめ
白鶴
美術館は、東洋古美術の豊かなコレクション、歴史的な建造物、そして地域社会への貢献という三つの要素が三位一体となった、魅力的な
美術館です。神戸を訪れる際には、ぜひ足を運んで、東洋美術の世界に浸ってみてください。