真志喜

地理

真志喜は、宜野湾市の南西部に位置し、東南から北西にかけて細長く広がる地域です。西は東シナ海に面しており、大謝名、大山、宇地泊、佐真下と隣接しています。地形的には、東南部の琉球石灰岩台地、中央部のなだらかな段丘面、そして北西部の海岸低地と、多様な様相を呈しています。東南部の台地は、かつてアメリカ海兵隊普天間飛行場の一部であり、湧水が豊富で小川が流れています。中央部には国道58号線が南北に走り、北西部は埋め立て地が広がっています。この地域には沖縄コンベンションセンターや宜野湾海浜公園があり、沖縄県内でも有数のイベント開催地となっています。また、宜野湾警察署、宜野湾市立真志喜中学校、沖縄県立宜野湾高等学校などの公共施設が集積しており、宜野湾市西部の中心的な役割を担っています。かつてはキャンプ・マーシーという米軍施設がありましたが、現在は高層マンションが立ち並び、県外からの移住者も多く居住しています。

歴史

先史時代

真志喜には、1994年時点で24の考古遺跡が確認されています。貝塚時代中期以前の遺跡としては、真志喜大川原第4遺跡、第3遺跡、そして真志喜安座間第1遺跡などがあります。安座間第1遺跡からは、58体もの人骨が出土しており、その形態学的特徴から「南島基層タイプ」と考えられています。しかし、一部には「土井ヶ浜型」弥生人の特徴を持つ人骨も発見されており、当時の人々の交流を示す証拠とされています。これらの遺跡からは、土器、石器、骨製品、貝製品など、当時の生活様式を知る上で重要な遺物が出土しています。

古琉球

グスク時代の遺跡は7カ所確認されており、マヤーアブ洞穴遺跡からは、宇佐浜式土器や中国製の磁器が出土しています。真志喜大川原第1遺跡からは、唐の貨幣である開元通宝が3枚出土しており、この地域が古代から中国との交流があったことを示唆しています。真志喜森川原遺跡からは、14世紀頃の高床建物群の跡が発見され、中山王察度の父である奥間大親の屋敷があったとする説もあります。しかし、文献には真志喜に関する記述はほとんど残されていません。

近世琉球

17世紀前半に成立した絵図郷村帳には、真志喜村の記載がありません。しかし、1671年の宜野湾間切分立の際に新たに村が立てられたと考えられており、これが真志喜村であると推測されています。大山村または大謝名村からの分村という説があり、かつては大川村と呼ばれていたこともあります。

近代

琉球処分後も宜野湾間切真志喜村として存在していましたが、琉球王国の廃止や税制の変化により、沖縄の生活は大きく変動しました。1880年の沖縄県統計概表では人口462人、1903年には551人と、人口増加率は全県平均を下回っており、人口流出が激しかったことがわかります。1908年、沖縄県及島嶼町村制施行によって宜野湾村字真志喜となり、1922年には沖縄県営鉄道嘉手納線が開通し、真志喜駅が開設されました。当時、主な産業はサトウキビやタイモなどの農業でした。沖縄戦では米軍の侵攻により地域は破壊され、住民は捕虜となりました。

第二次世界大戦後

戦後、住民は収容所に収容されましたが、その後解放されました。しかし、県道以西が米軍基地（キャンプ・マーシー）として接収されたため、住民は大山部落へ移住しました。1976年までに基地は全面返還され、その後区画整理が行われ、現在の宜野湾警察署や宜野湾高校などが建設されました。1980年代には海岸線の埋め立て工事が始まり、1987年には沖縄コンベンションセンターや宜野湾海浜公園が完成しました。1990年には住居表示が実施され、一部地域を除き、真志喜1丁目から4丁目となりました。

地名の由来

琉球王国の正史『球陽』によると、尚貞王治世下の1681年に、宜野湾間切謝名村の真志喜という人物が浦添間切牧港村で開田したことで褒賞されたとあり、真志喜の地名はこの人物に由来するという説があります。

公共施設

真志喜には、宜野湾市立博物館や森川公園などの文化施設、宜野湾警察署や沖縄県立宜野湾高等学校などの教育施設、沖縄コンベンションセンターや宜野湾海浜公園などのレジャー施設、そして宜野湾港などがあります。また、真志喜4丁目にある宜野湾市立野球場は、日本プロ野球横浜DeNAベイスターズのキャンプ地としても知られています。

文化財

真志喜には、沖縄県指定名勝である森の川があります。

交通

真志喜には、国道58号線と宜野湾バイパスが通っています。

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