睦鎮碩

睦鎮碩（モク・チンソク、ぼく ちんせき、목진석、1980年1月20日 - ）は、韓国ソウル出身の囲碁棋士です。4歳で囲碁を始め、1994年に韓国棋院に入段。その才能は早くから注目され、1995年のロッテ杯中韓囲碁対抗戦では、中国の強豪、聶衛平を破り「怪童」と称されました。李昌鎬の次世代を担う棋士として、大きな期待を集めました。

1998年にはBCカード杯新人王戦で優勝、中韓新人王対抗戦でも勝利を収め、その実力を証明しました。1999年には新鋭プロ十傑戦で優勝し、棋聖戦の挑戦者決定戦にも進出しましたが、李昌鎬に敗れました。この棋聖戦第1局は、国務総理官邸で行われ、金鍾泌総理も観戦するという異例の事態となり、話題を呼びました。

2000年には、KBS杯バドゥク王戦で李昌鎬を破り優勝。また、富士通杯世界選手権では3位入賞を果たしました。2004年には、LG杯世界棋王戦で準優勝。決勝で再び李昌鎬に敗れましたが、世界的な棋戦での活躍は目覚ましいものでした。2007年には、年間122局を打ち、93勝29敗という驚異的な成績を記録。最多対局、最多勝の新記録を樹立しました。

2015年にはGSカルテックス杯で優勝し、15年ぶりのタイトル獲得。同時に韓国史上8人目の通算1000勝を達成しました。同年には韓国ナショナルチームのコーチにも就任し、若手棋士の育成にも尽力しています。

睦鎮碩は、数々のタイトルを獲得するだけでなく、国際棋戦でも数多くの好成績を残しています。世界囲碁選手権富士通杯では3位、テレビ囲碁アジア選手権では準優勝、LG杯世界棋王戦では準優勝など、世界レベルでの活躍が目覚ましいです。また、農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦では、韓国代表として何度もチームの勝利に貢献しました。

国内棋戦においても、棋聖戦の挑戦者、電子ランド杯王中王戦、マキシムコーヒー杯入神連勝最強戦、圓益杯十段戦、OllehKT杯オープン選手権などの準優勝を経験しています。

彼は、韓国囲碁リーグや中国囲棋甲級リーグにも積極的に参加。韓国ではネットマーブル、新星建設などのチームに所属。中国では重慶建設摩托、貴州咳速停などのチームで活躍しました。流暢な中国語を話すことでも知られています。2008年には韓国棋士ランキングで4位にランクインしました。

睦鎮碩は、囲碁界の発展にも貢献しており、若手棋士の対局機会を増やすために、棋戦「未来の星新鋭最強戦」を父と共に創設しました。尊敬する棋士として、趙治勲と曺薫鉉の名を挙げています。

主なタイトル歴

中韓新人王対抗戦 (1998年)
BCカード杯新人王戦 (1998年)
SKガス杯新鋭プロ十傑戦 (1999年)
KBS杯バドゥク王戦 (2000年)
GSカルテックス杯プロ棋戦 (2015年)


主な棋歴

国際棋戦
世界囲碁選手権富士通杯 3位 (2000年)
テレビ囲碁アジア選手権 準優勝 (2001年)
LG杯世界棋王戦 準優勝 (2004年)、ベスト8 (2002年)
トヨタ&デンソー杯囲碁世界王座戦 ベスト8 (2008年)
ペア碁ワールドカップ 準優勝 (2010年)
ロッテ杯中韓囲碁対抗戦 (1995-1997年)
農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦 (2000-2010年)

国内棋戦

SKガス杯新鋭プロ十傑戦 準優勝 (1998年)
棋聖戦 挑戦者 (1999年, 2002年)
電子ランド杯王中王戦 準優勝 (2008年)、白虎部優勝 (2007年)
マキシムコーヒー杯入神連勝最強戦 準優勝 (2008年)
圓益杯十段戦 準優勝 (2008年)
国手戦 挑戦者 (2009年)
OllehKT杯オープン選手権 準優勝 (2013年)
韓国囲棋協会杯ペア碁戦 優勝 (2009年)
SG杯ペア碁大会 準優勝 (2011年)
韓国囲碁リーグ (2004-2017年)

中国棋戦

中国囲棋甲級リーグ戦 (2001-2009年)


受賞歴

囲碁文化賞新鋭棋士賞 (1996年)
* 囲碁大賞敢闘賞 (2007, 2008年)

睦鎮碩は、その卓越した才能と努力で、韓国囲碁界を代表する棋士の一人として、今後もその活躍が期待されています。

もう一度検索