石苞 (西晋)

石苞（せき ほう）

石苞（せき ほう、195年 - 273年）は、中国の三国時代から西晋にかけての武将・政治家です。字（あざな）は仲容（ちゅうよう）。勃海郡南皮県（現在の河北省一帯）の出身です。

生涯

石苞は若い頃、身分の低い仕事に従事していました。鄧艾と共に御者をしたり、市場で鉄を売ったりしていたと言われています。しかし、郭玄信や許允といった名士に才能を見出され、中央政界に進出するきっかけを得ました。

当初、司馬懿からは人格面を疑問視されていましたが、その息子である司馬師には高く評価され、重用されるようになります。中護軍司馬や太守を経て、徐州刺史に抜擢されると、その能力を発揮しました。252年の東興の戦いでは、呉軍に大敗を喫する中で、自軍の兵力を失わずに帰還し、司馬昭の評価を高めました。

257年に諸葛誕が反乱を起こすと（諸葛誕の乱）、石苞は監軍として鎮圧に参加。呉の援軍を破るなどの功績を挙げ、鎮東将軍に昇進しました。その後も、揚州諸軍事として呉への最前線である寿春を守備するなど、軍事面で活躍しました。

司馬昭が亡くなると、石苞は陳騫と共に曹奐（元帝）に禅譲を促し、司馬炎（武帝）による晋の成立に貢献しました。晋の成立後、石苞は大司馬に任じられ、高い地位を得ました。

しかし、石苞の出自が低かったため、その出世を妬む者も少なくありませんでした。王琛による讒言などにより、司馬炎から謀反の疑いをかけられ、一時失脚の危機に陥ります。しかし、羊祜や郭廙らの弁護により誤解は解け、最終的には司徒に任じられました。

晩年は、司馬炎に農業政策の重要性を説くなど、国政に貢献しました。273年に79歳で亡くなると、司馬炎はその死を悼み、手厚く葬りました。

石苞の息子である石崇は、豪奢な生活で知られましたが、後に司馬倫によって処刑されました。また、曾孫の石璞は、後趙の石勒に重用され、司徒にまで上り詰めました。

石苞は、その波乱に満ちた生涯において、軍事・政治の両面で才能を発揮し、西晋の成立に大きく貢献した人物として評価されています。

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